内容説明
主人公・廣瀬伸恵は、中2で家出、温泉街のコンパニオン、ヤクザによる監禁を経験。その後、暴走族「魔罹唖」を結成し、覚せい剤の売人になり二度服役。だが獄中出産を機に更生の道へ。建設業界で起業し、やがて刑務所の出所者を雇用するように。「母ちゃんになってやる」「私は決して見捨てない」と、従業員のため毎日ご飯を作る。いまでは従業員のほとんどが出所者だ。北尾トロが、相棒のカメラマン、中川カンゴローと共にその半生に迫り、犯罪を生み、更生を阻む社会の現状も問う。
目次
第1章 悪の道
第2章 女子刑務所は修羅の花園
第3章 おまえの母ちゃんになってやる
第4章 私は決して見捨てない
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ばんだねいっぺい
31
エピソードの重さと語り口のミスマッチに少し混乱しながら、つい、笑ってしまう。善悪ではなく、もともとの核にあるものが社会の善きポジションとマッチした結果として物語られているのが画期的だ。悩み苦しみながら、 周辺の人々と進む姿に共感と尊敬を感じた。 2023/05/24
まぶぜたろう
13
ヤンキー女社長の「痛快人生」はやたら面白い。しかし、レディースでは酷いリンチを重ね、覚醒剤の売人として未成年者を含む多くの人をシャブ漬けにする。そんな過去は無かったように、現在の「美談」が語られることの違和感が最後まで残る。「美談」だって相当ヤバい。出所した元犯罪者を雇い、自宅敷地に住み込ませ、建設現場に派遣する仕事。再犯の可能性が高い者たちと共存する生活。逆に言えば、そんな違和感やヤバさを「美談」に潜ませることの誠実さ、正直さ、あるいは絶望感。そしてそれをあっけらかんと笑い飛ばすことの「痛快」。2025/08/16
たっきー
10
建設会社の社長である廣瀬伸恵氏の波瀾万丈な半生に迫るノンフィクション。あとがきに「元レディース総長だった『魔罹啞』の明美が、社会貢献に目覚めつつ人生のコースを変えて『聖母マリア』にになっていく物語」とあったがその通りの内容。子どもの頃は裕福だったが、親の不仲・不在から、姉は勉強をがんばり進学を機に家を出る道を選んだが、伸恵氏は寂しさと真剣に打ち込めることがなかったことから悪い道に入ってしまったのかなと思う。過去の悪事をあまりにあっけらかんと話すのはどうかと思うけれど、→2023/03/26
imagine
7
著者が人物を題材にして書いたことが意外で、これはと期待して読む。出所者を積極的に雇用する建設会社の女社長、廣瀬。彼女自身も元はレディースの総長。日曜午後のテレビに格好の素材のようだが、そうならないのが北尾トロ氏。これまでにも町中華や山田うどんなどを絶妙な塩梅で紹介してきた手腕をここでも発揮。下世話にならず、媚びもせず、廣瀬の歩んだ人生に、真摯に寄り添う。転機となった出来事や人物も個別に取材。カメラマン氏を同行させ、自分以外の視点も採り入れている。タイトルだけは、帯文のように直球で伝えた方がよかったかも。2023/03/29
nobu23
6
レディースや薬の売人に刑務所生活、といった凄まじい経験を送りながら、刑務所の出所者を受け入れる建設業界の会社を作り上げた女性の人生をまとめたノンフィクション。壮絶な人生の前半と、起業から現在の規模に成長するまでの波瀾万丈な内容がまとまっている。2024/06/22
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