内容説明
人口減少、災害対策、DXの発展、医療財政、教育システム、宗教法人、皇室の存続――日本は長い間、解決すべき問題を抱え続けてきてしまった。世界が再び混迷の時代に突入する中、それらは「時限爆弾」として我が国を脅かす。本書では各分野を代表する十四人のプロフェッショナルと本気で語り合い、日本の、そして個人の生存戦略を考える。問題を解決する猶予はもはや残されていないのだ。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
金吾
32
佐藤優さんが様々な世界の第一人者たちと対談しています。分量的に触りにならざるを得ないとはいえ分野がわかれている分話が多岐に渡り、興味を持てる話が多かったです。出身校の話が出ていて自分が学生の時と大分変わっていることに年を感じました。土木学、人口学、教育学、皇室論、仏教学、医学の話が面白かったです。 2025/06/03
zoe
18
2023年。2021年からの対談集。富士フイルムとコダックの話は、別の対談で、二度登場。一つ目は、富士フイルムは柔軟に会社を変える事ができ、コダックは出来なかったという話。二つ目はコダックの社員は周辺業界で起業し、富士フイルムは社員が残って変化させたという話。実は技術開発的にはあまり違いがないのかも。メモ。第三者委員会。ロシアのGDP。適度な薬や治療。少子化と遣唐使。仕事を失う事、成熟。2023/06/20
ikedama99
16
夜に読む本の1冊。対談集なので、引っかかるところ多々あっても、ここで終わりというのが自分には残念。色々な分野からの対談相手なので、好奇心は揺さぶられる。どの内容も面白くいろいろと揺さぶられたが、特に、新井紀子、三浦 展、八田進二、戸松義晴、五木寛之・・の方々の対談が、自分の関心のある分野でもあるので気になった次第。特に、DXについては仕事の関係もあって、気になった。 2023/08/03
あんさん
15
2020年から2022年に週刊新潮で「佐藤優の頂上対決」として連載された対談集。書名を「国難のインテリジェンス」とした理由は書かれていなかったと思うが、変化する社会の中での生き残りが共通するテーマなのだろう。週刊誌の連載らしく各章は短めで、詳しく知りたければ対談者の著書をということか。著書はあとがきで「啓蒙的理性の限界を知る」「未来の指導者養成」をあげる。「人間の世界は矛盾だらけで、努力したって報われないことが山ほどあります。それを覚悟した上で努力すれば、落ち込まずにすむのかも(五木寛之)」2024/01/01
大先生
13
人口減少、災害、医療財政など「国難」といえるテーマから、仏教(宗教)の在り方や皇室の在り方など比較的限られた人々にとっての課題といえる問題まで、佐藤氏が各分野のプロフェッショナルたちと対談した本です。医療制度を少しでも長く維持するために医療費の削減に取り組まれている國頭英夫先生が素晴らしい。緩和ケアは必要だけど、75歳以上の延命はやめるべきだと。言いにくいことをズバッと指摘してくれています。2024/04/06