さもなくば黙れ

個数:1
紙書籍版価格
¥1,980
  • 電子書籍
  • Reader

さもなくば黙れ

  • 著者名:平山瑞穂【著】
  • 価格 ¥1,980(本体¥1,800)
  • 論創社(2023/03発売)
  • ポイント 18pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784846021177

ファイル: /

内容説明

何よりもおそろしいのは、普通の人々だ! コロナ禍から10年が経過した日本の社会--。バイザーを利用した相互監視システムが構築され、どんな理由であれ、適合できない人々は「アンプラ」と呼ばれた。不適合の人々は〝静山泊〟に集まるが、地域住民による排斥運動に悩まされる。彼ら・彼女らの行く場所はあるのか? 人間の馴致しやすさと排斥への欲望を描いた書き下ろし小説。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

レア

20
いつの時代も間違った政策に振り回されて、適合できない人はどんどん行き場をなくして生きづらい世の中になっていく。世の中を円滑に円満に過ごすには、何でもかんでも言えばいいってものじゃない。本音と建前ってあるじゃない。頭の中で考えていることも全部見せ、即、バイザーでやりとりできなきゃ特定注意人物として逮捕されるなんてゾッとする。口下手な人、反応スピードが遅い人だっているじゃない。カモさんの「声に出して話せ。さもなくば黙っていろ」…まさにそのとおり。“静山泊”で共同生活を送るうちに逞しくなった茉友が救い。2025/06/19

わか☆

10
「ラス・マンチャス通信」で大ファンになった平山さんの新刊。とても恐ろしい。個人的に「犯罪者予備軍」という言葉が苦手。考えを文字として表示するバイザーを装着する事が義務づけられ、返答にまごついたり沈黙してしまうとエラーポイントが貯まり特定注意人物と後ろ指をさされる近未来の日本。人の悪口に上手く賛同出来なかったり、とっさに建て前が言えない不器用な人たちは生きる場所が無くなってしまう社会。「嫌だ~」と泣きたくなる読書だった。2022/04/24

Dr.strangelove

5
タイトルの良さに惹かれて手に取った。作中ではバイザーと呼ばれる、思考を可視化する装置が登場する。これは他者との言語感覚の不一致を具体化させるアイテムだ。日常的に言葉の噛み合わない相手に対して、私たちは「聞き流す」「はぐらかす」という回避方法を持っている。だが、到底受け入れられない意見に対してすべて言語化した返答を求められるとしたら?これはバベルの塔の寓話の逆ではないか。双方向の言語コミュニケーションは人間関係を良い方向だけに導くとは思えない。猫は猫の言葉でしか返事をしないから、永遠に愛くるしい。2022/06/04

マキコマキ

5
終始緊張を強いられる読書でした。 怖すぎる世界観です。たまたま不適合な人が犯罪を犯すと、十把ひとからげで不適合者全員が犯罪予備軍のようにたたかれる。帯にもありましたが、何より恐ろしいのは一般の人々。自分の正義を振りかざし、人の意見を聞かず徒党を組んで声を上げる。一人では何もできないのに集団になると強気で攻めてくる。 こんな世界には本当になってほしくないし、ちゃんと人とは会話したい。この世界観に慣れるまでは少し戸惑いましたが、こんな世の中に絶望していた主人公に少し希望が見えたことにホッとしました。2022/02/09

けんたん

4
きっと簡単なのに難しい。そんな本。 思考の明示、政府による政策、逃避地、思考の変化。理解しようと読み進めているうちに終わった。2022/02/16

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/19045939
  • ご注意事項

最近チェックした商品