はちどり 1994年、閉ざされることのない記憶の記録

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はちどり 1994年、閉ざされることのない記憶の記録

  • ISBN:9784775530115

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内容説明

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世界を席巻した韓国映画『はちどり』にまつわる書籍が待望の邦訳刊行!

「世界は不思議で美しい」

映画『はちどり』はどのようにして生まれ、なぜ世界中の人々の心を魅了したのか。

思春期のうつろう心、家族との葛藤、変わりゆく社会、ジェンダー…。
1994年の韓国から現在地までを紐づける、
微細に紡がれた記憶の記録集。

<ノーカット版の完全版シナリオ>
韓国語訳者の第一人者によって翻訳された、
映画未収録シーンを含んだ完全版シナリオを全文公開。

<映画から社会を見つめる4つの寄稿>
日本でも注目を浴びる韓国の作家・チェ・ウニョン、キム・ウォニョンなど、
豪華な執筆陣によって綴られた、映画を介して社会をみつめる珠玉の寄稿集。

―わたしたちの個性をありのまま認めてもらえていたならば、大人になってからの人生はどれほど変わっていただろうか。
チェ・ウニョン

―肉体は死んでも声は生きている。思いもよらぬ事件で命を失った存在から、人生の豊かさを語る音声が流れる。
ナム・ダウン

―社会全体が生存と地位の上昇をめぐって競い合う韓国社会において、その秩序に忠実に従おうとする人々には不安という情緒が根幹にある。
キム・ウォニョン

―いまの時代の愛というものは、その相手がペットであれ、伴侶であれ、友達であれ、愛する相手より、愛の主体が“愛する”自分を愛するだけである。
チョン・ヒジン

<絶え間なき作家同士の対談>
2日間にわたり、女性、ストーリー、創作について語り合った、キム・ボラ監督とアリソン・ベクダル。
対話を重ねるほどに共振する、その作家性。

<日本特別企画・キム・ボラ監督インタビュー>
映画の公開から4年の時を経たキム・ボラ監督に、いま・ここでの話を聞いた。
撮影時の貴重な秘話やスチール写真を交えて語られた、邦訳版オリジナルのロングインタビュー。

――

目次

1.|作家のことば
2.|シナリオ
3.|あの頃のウニたちへ/チェ・ ウニョン
4.|ヨンジ、わたしたちが失ってしまった顔/ナム・ダウン
5.|崩壊する夢のなかで誰かと出会い、別れるということ/キム・ウォニョン
6.|いま、ここの前日譚『はちどり』/チョン・ヒジン
7.|女性、ストーリー、創作について/キム・ボラ+アリソン・ベクダル
8.|特別インタビュー『はちどり』から4年の時を経て
9.|感謝のことば
10.|日本版に寄せて

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ぐうぐう

33
韓国では映画公開年に出版された本書だが、公開4年後(日本公開からは3年後)についに邦訳刊行となった。完全版のシナリオと寄稿、監督・キム・ボラとグラフィックノベル作家・アリソン・ベクダルとの対談、そして昨年11月に行われたキム・ボラへのインタビューが日本版だけの特典として収録されている。数多く公開される韓国映画の中でも『はちどり』は特別な作品だ。韓国独特の社会、家族像を映し、1994年の聖水大橋墜落事故を扱い(そこには政治が背景として横たわっている)、つまり韓国独特の世界を描いているはずが、(つづく)2023/04/07

バーニング

2
前半が映画のシナリオで、その後に映画に寄せたエッセイと批評。その後にキム・ボラの言葉を対談と、4年後のインタビューという2種類の形で載せている一冊。映画について掘り下げることが必然的に韓国社会における少女や女性の立ち位置が経験に立ち入るものとなっている。また監督自身も述べているが、小説家であるチェ・ウニョンのエッセイが非常に素晴らしい。これも監督の言葉を借りるが、文章が上手いだけではなく感情を揺さぶる言葉を紡ぐことに関しては、本当の素晴らしいものを持っている作家だと再確認できる。2023/09/26

クァベギ

2
映画『はちどり』の監督キム・ボラは、シナリオ初稿を書いたあと、各国の知人や、10代から70代までのさまざまな人に意見を聞いたとか。主人公と世代も住む場所も異なる私がこの映画に強い印象を受けたのは、監督のこうした努力もきっと大きく関係しているはず。私はこの作品に描かれた家庭内の力関係や学校内での競争に既視感を覚えたのだ、と改めて納得した。2023/05/28

テロメア

1
『はちどり』はカットされたシーンがあると知り、3時間くらいあってほしいと初見に思ったのを思い出した。だから、カットされてしまった2時間40分バージョンもいつか観たいですねえ。2023/05/07

ruru3067

0
映画が面白かったから買った本。前半はシナリオで後半からはエッセイなどの文章で出来ている構成。シナリオに関しては映画と違う部分があって、映画を前もって見ていても所々新鮮に楽しめて得した気分になった。個人的には映画の方がスッキリとしていて好き。 後半からのエッセイなどの文章はボリュームたっぷりで楽しめた。こういう本はシナリオがメインになりがちだけど、本の半分もエッセイなどの文章があった。もちろん、中身も良かった。2024/02/12

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