内容説明
子はなぜ親に似るのか? この仕組みを解き明かすことから始まったのが遺伝学だ。メンデル以来約160年とその歴史は浅いものの、遺伝学は生物科学の中核となった。遺伝子が子へ伝達される仕組みや生体内での働きが明らかとなり、染色体からDNAへと、遺伝子の実体解明も進む。いまや、PCRやゲノム編集などの最新技術にも結実している。遺伝学の研究と発見の歴史を、科学者たちの生涯とともにドラマチックに描く。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
nagoyan
18
優。メンデル時代から現代遺伝学の最先端までを、研究者の個人的エピソードの紹介と共にエッセンスを解き明かしていく。スリリングで、エキサイティングな良書。メンデルの研究は30年間放置されたこと。マクリントックが女性であるゆえのハンディを乗り越えて成功を収めるまでに要した時間。更に画期的な研究をするもその再評価まで要した時間。科学でさえも研究者共同体の文化からあまりに先をいく成果は受け入れられないのか。正直第7章ぐらいになると文系の僕にはもうお手上げ。エンドウ、ショウジョウバエ、トウモロコシ、バクテリアの歴史。2023/01/15
Hiroshi
6
一般の遺伝学の本では遺伝学の説明をしながら、一部で研究者が如何なる仮説を立てて実験したかを書く。本書は物語であり歴史なので、研究者が何に興味を持ち仮説を立てて実験していき評価された事が書かれている。その分遺伝学の説明が少ない。今世紀に入ってからの説明はあっという間だ。エピジェネティック制御の解除であるiPS細胞が登場せず残念だ。メンデルが遺伝の法則を発見し、生物の形質が遺伝子によって決定されることを推測した。モーガンらは遺伝子物質が染色体にあり、遺伝子は染色体上の決まった配置と距離を保っていると解明した。2024/02/21
くらーく
3
メンデルは知っていたけど、モーガン、マクリントック等は知らなかったな。20世紀後半からの遺伝学の進化の速さには驚かされるよね。それを築いたのが、モーガンのやり方なのかもしれないな。優秀な人を集めて、情報を共有して、同じ方向に進む。フロンティアの楽しさだろうね。DNAの構造が分かってからは、いろいろと分岐して、幅広い解説になっていく。学問や研究の面白さをどこに求めるかでしょうな。研究者によって、深める人、新しい分野に移行する人がいて興味深い。岡崎フラグメント(P.200)。初めて聞いたわ。覚えておこうっと。2023/01/28
預かりマウス
2
前半部分はメンデル、モーガン、マクリントック、ビードルという遺伝学の泰斗の生涯やエピソードに焦点を当てており、後半部分は理論中心の内容になるものの、様々な研究者の個性や関係性が折に触れて描かれている。理論だけだとどうしても文系にとっては難解であり、読み進める気力も削がれてしまうが、それを何とか人物にまつわるエピソードで、専門外の人間の印象にも残りやすいように工夫されている。理論部分もわかりやすい記載に努めているとは思うが、どんなにわかりやすく書かれても、私にはそう簡単に理解はできないのだろうと思った。2023/07/27
Riko
2
図書館で借りた2023/02/14
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