内容説明
バレエはルネサンス期イタリアで誕生し、今なお進化を続けるダンスの一種だ。当初、王侯貴族が自ら踊り楽しんだが、舞台芸術へと転換。観客も貴族からブルジョワジー、市民へと拡大する。十九世紀の西欧とロシアで成熟し、世界へ広がった。ダ・ヴィンチ制作の舞台装置、ルイ十四世が舞った「太陽」役、チャイコフスキーの三大バレエ、シャネルやピカソが参加したバレエ・リュス、そして日本へ――六百年の歴史を通観する。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
trazom
109
15世紀にイタリアで始まったバレエの600年の歴史が詳しく書かれている。フランス宮廷で栄えたバレエが、職業ダンサーの登場とともに市民の鑑賞の対象となり、19世紀にロマンティック・バレエが完成するが、「一部ダンサーの娼婦・愛人化によって衰退」というのが面白い。その後、ロシアでクラシック・バレエとしての大輪の花が開く。歴史的な振付家やダンサーも丁寧に紹介され、とても充実した「バレエの世界史」だが、「ポアント技法をいつ誰が完成させたのかは未だ謎のままだ」という記述に驚く。こんな大切なことが分かっていないとは…。2023/11/19
アキ
96
昨年上野で「バレエの美神2023」を鑑賞した。バレエと言えばパリ・オペラ座とロシア・ボリショイ・バレエが思い浮かぶが、バレエの発祥はルネッサンス期のイタリアです。バレエの語源は、イタリア語のバッロ(踊るの名詞形)。フランスには16世紀カトリーヌ・ド・メディチがもたらした。17世紀にバレエを飛躍させたのがルイ14世。自らもバレエを踊り、貴族の子弟はバレエを習い、出世にも影響したと。王立アカデミーの始まりは舞踏芸術であったのも当然か。ロシアに広まったのは18世紀になってから。現代のバレエは19世紀からである。2024/05/17
まな
5
バレエの歴史が細やかに、近年のコロナやデジタル・SNSの部分まで描かれていて面白い。バレエの専門書のなかではかなり読みやすいと感じた。歴史の流れをつかみつつ重要人物へのフォーカスの当て方が丁寧で読んでいて、とても詳しく知りたくなるような構成だった。バレエが好きな人、バレエの歴史を知りたい人にはとても良い本になりそうな予感。2024/02/18
Naota_t
4
#2024/★3.2/説明調で読みづらいが、バレエの歴史を俯瞰するに最適。「バレエの魅力は、生身のダンサーが今ここで、言葉を用いず、肉体のみで表現していることに根差し…他のダンスにはない不思議な力」があることらしい。『オペラと歌舞伎』(永竹由幸)と併せて読むと良い。バレエの起源は貴族の遊びで「ほぼ全てが異国を舞台とし、物語の中心に主人公男女の恋愛を据え、ほとんどの作品が異界の場面」で、ドガなどの絵画にあるようにバレリーナが娼婦化するなど、バレエが歌舞伎などに比べ軽薄なのは国柄・文化の違いかな、と思った。2023/11/02
takao
3
ふむ2024/05/15
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