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内容説明
「シン・仮面ライダー」に受け継がれた50年前の規格外の男たちの魂と夢。
正史では語られてこなかった仮面ライダー誕生の聖地「50年目の真実」――。
日本中の子供たちが熱狂したヒーロー誕生に秘められた執念と熱狂のドラマ!
(本書の主なエピソード)
衝撃の千葉真一ビンタ事件/なぜ改造人間は消えたのか/ロケ隊驚愕の「アイドル御一行様」騒動/車椅子の子供が仮面ライダーショーを見て歩けるように/実演ショーの地方興行でヤクザと対決、決闘の連続/低予算ゆえに発案された「ライダーキック」/放映開始前日、藤岡弘の大怪我、一夜漬けのシナリオから生まれた「変身ポーズ」、そしてまたたく間に変身ブームが日本中を席巻していく……。
庵野秀明氏
「あんなにスピーディでかっこいいものはなかった。おカネがないことを逆手にとって」
「(東映生田スタジオの)魂は引き継ぎたいと思っています」
仮面ライダー誕生の地「東映生田スタジオ」とは……
「アジト=秘密基地」
そこには実際に指を詰めたヤクザ、刺青を彫り込んだ元自衛官、前科者、使い込みがばれて逃亡中のノミ屋ら、ショッカーなみにふてぶてしいスタッフが寄り集まった。
孤高の越境者たちが「どん底」からつかんだ革命的成功。
昭和から令和にまたがるエンターテインメント・ヒストリー!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
パトラッシュ
108
同じ特撮でも『ゴジラ』や『ウルトラマン』に比べ『仮面ライダー』がほとんど語られない理由がわかる。争議下の東映でスト破りのため設けられた生田スタジオで、所長の内田有作を筆頭にハミダシ者と愚連隊が集まって製作されていたのだから。元ヤクザや前科者でも才能があればスタッフに登用し、管理などないに等しく面白ければ何でもありだった。少年たちの心を奪った怪人たちの激闘ドラマは、いわば男のロマンに身も心も捧げた者の熱気があればこそ生まれてきた。冷たい人形のような現在のライダーなど、あの熱い時代の後継者を名乗る資格はない!2023/07/04
ヒデキ
52
1970年代初頭 東映の愚連隊とも思えるスタッフたちによって 作られたゲリラ作品「仮面ライダー」 食べるために必死な思いで作っていった作品は、 日本のヒーロー作品の王道になっていきました でも、そんな王道になっていった作品は、当然のように 初期のメンバーの居場所を失くしていきました。 ノスタルジーで読んだ感じもありましたが、 日本の経済的な成長と何かが無くなっていったことを 感じてしまいました2023/04/06
kei-zu
26
「シン・仮面ライダー」の公開に併せて、「仮面ライダー」を作成した東映生田スタジオを紹介する。 組合闘争が激しい中、「スト破り」のために設置されたスタジオに集まる個性豊かな面々の描写も楽しいが、本書の実質的な主役は所長であった内田有作と言ってよいだろう。 晩年に改めてその業績に光が当たったとの記述には、胸が熱くなります。 もちろん、紹介される「ライダー」の裏話も楽しい。第2話「コウモリ男」の画面の暗さが疑問だったのですが、あれは大映からのスタッフの絵作りだったからかと思ったり。2023/04/12
緋莢
18
1971年、放送が開始された「仮面ライダー」。そのヒーローが誕生した東映生田スタジオは<ありていにいえば、そこは聖地のイメージとは裏腹に、地獄の軍団ショッカー並みにふてぶてしいスタッフが寄り集まる〝アジト”だった>という。この本は、まず、生田スタジオがどのような経緯で誕生したのか?から始まります。「風の中のすばる」で始まる歌が主題歌の某番組に取り上げられてもおかしくないが、取り上げられなかったのは…(続く2023/11/07
qoop
8
昭和40年台の東映というガラの悪さが滲み出る会社の、更に僻地で「仮面ライダー」は撮影されていた。「シン仮面ライダー」は「仮面ライダー」初期を換骨奪胎した作品だが、特に第一話のリメイク要素が強い。令和の世に注目されるクリエイターが、昭和映画界の吹き溜まりじみた現場で制作された作品をリメイクするというのは皮肉だが、作品としては下剋上の体現だろう。「シン〜」の公開を見据えて発売された本書は初め、令和と昭和ふたつの時代をつなぐ作品が大きな懸崖によって隔てられていると思わせながら、それをつなぐ道筋も示していく好著。2023/04/08