内容説明
グローバルな正義を机上の空論で終わらせないために近年主張されているのが、「実践によって媒介された関係」に基づく正義論、つまり実践依存アプローチだ。サンジョヴァンニやウォルツァーなどによるこの理論をさらにアップデートすべく、NGOや社会運動といった主体を取り入れ、「集合的主体による実践依存アプローチ」の正義論を構想する。
目次
序論 グローバルな正義の探求
1 グローバルな正義――現実世界の不正義と理論の交錯
2 先行研究の前史と本書の検討対象
3 先行研究と本書の関係
4 本書の構成
第1章 グローバルな正義と実践
はじめに
1 グローバルな正義の関係的構想と非関係的構想――正義の範囲から根拠づけの問いへ
2 実践依存アプローチ――その要諦と既存の二潮流
3 実践依存アプローチの方法論としての解釈――制度主義の解釈の三段階
4 ジョン・ロールズと実践依存アプローチ
おわりに
補論 制度主義のメタ倫理学的基礎としての構成主義
第2章 道徳に対する「政治」の優位?――アンドレア・サンジョヴァンニ
はじめに
1 互恵性に基づく正義と制度的事実
2 制度と政治的正当化
3 道徳に対する政治の優位の限界
4 制度の変容可能性としての「政治」と主体
おわりに
第3章 プラグマティック・リアリズム――アーロン・ジェームス
はじめに
1 グローバルな正義の主題の分解
2 基本的事実としての保証問題
3 プラグマティック・リアリズム
4 プラグマティック・リアリズムの限界
おわりに
第4章 文化慣習主義における主体と「政治」――デイヴィッド・ミラーとマイケル・ウォルツァー
はじめに
1 文化慣習主義的な正義の諸要素
2 文化慣習主義的なグローバルな正義
3 文化および共同体概念の変容可能性
おわりに
第5章 グローバルな不正義への責任と主体
はじめに
1 コスモポリタニズムと主体
2 オノラ・オニールの主体論――実践的推論と義務
3 トマス・ポッゲの責任論と正義の主体
4 責任基底的な主体論の批判的検討
おわりに
第6章 グローバルな正義の形成へ――集合的主体による実践と民主主義
はじめに
1 アヴァンギャルドな政治的主体――レア・イピ
2 正義を形作る存在としての主体
3 集合的主体による実践に根ざした正義と民主主義
4 正義と民主主義のディレンマを越えて――民主的なグローバル正義へ
おわりに
結 論
参考文献
あとがき
事項索引
人名索引
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