集英社単行本<br> 本当に欲しかったものは、もう Twitter文学アンソロジー

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集英社単行本
本当に欲しかったものは、もう Twitter文学アンソロジー

  • ISBN:9784087880892

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内容説明

五分後に、虚しい人生。
空虚なスキマ時間に読み切れる、22の傑作ショートショート。

「『夏休み、パパが東京にミュウの配布会連れてってくれるって!』『いいな! てかポケモン青、いつ届くんだろ』。チャイムの音と共に騒がしくなる教室で、目を輝かせる友人達。小学校の話題の中心はいつもポケモンだった。僕は一人、いつも下を向いていた。ウチにはゲームボーイも、スーファミもなかった。」(窓際三等兵「本当に欲しかったものは、もう」より)

「PRだらけになったこのアカウントに生き残ってくれた88967人のフォロワー様へ。私が某恋愛番組に出演して最後の一人に選ばれてからもう五年が経ちました。今まで自撮りやポエムにいいねをつけてくれてありがとう。このアカウントは明日削除します。最後にずっと言えなかった私の正直な思いを綴ります。」(木爾チレン「88967人のフォロワー様へ」より)

「昔むかし、港区にアリとキリギリスが暮らしておりました。アリは桜蔭から東大落ち、キリギリスは広島あたりの女子高から指定校推薦で、それぞれ慶應の法学部政治学科に同期入学しました。アリは律法会でチー牛たちと真面目に学び、キリギリスはチャラサーとして有名なテニサーで楽しく遊んで暮らしていました。」(麻布競馬場「Twitter童話 アリとキリギリス」より)

【著者】(五十音順)
麻布競馬場 @63cities
霞が関バイオレット @NEOKASUMI_No1
かとうゆうか @plasticat_y
木爾チレン @1000ve
新庄耕 @shinjo_kou
外山薫 @kaoruroman
豊洲銀行 網走支店 @toyosubk88
pho @ohp_pho
窓際三等兵 @nekogal21
山下素童 @sirotodotei

目次

外山薫「ルンバは戦友だった」「成人式」
新庄耕「喉元まで出かかったその言葉は」
かとうゆうか「【ご報告】」「必見!ギャラ飲みで毎月100万円簡単に稼ぐ方法♪」「16歳」
霞が関バイオレット「社会は“弱さ”でできている」「ひと夏の幻」
山下素童「トベッ! ハヤク! トベヨォッ!」
豊洲銀行 網走支店「支店対抗ゴルフコンペ」「初成約」「知ってるやり方でしか仕事ができない」
木爾チレン「88967人のフォロワー様へ」
pho「中学受験体験記 ~親子3人で支え合う家族の輪~」「プロ医局 戦力外通告2021」「全てをお話しします」
窓際三等兵「本当に欲しかったものは、もう」「新釈三匹の子豚」「ベストセラー作家になった妹へ」
麻布競馬場「Twitter童話 アリとキリギリス」「港区桃太郎」「大人になるということ」

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

キク

58
窓際三等兵や麻布競馬場が「タワマン文学」として騒がれてるのは知っていた。読んでみて「あぁ、これは騒つくな」と納得した。持たざる者の辛さを描く作品は腐るほどある。でも「地方進学校から東大早慶に入って、医者や官僚や大手企業に入ったものの辛さ」を描いた作品って見たことがない。この「Twitter文学アンソロジー」では、そんな今まで語られてこなかった「不良の覚悟も、東京出身者のセンスもない、地方から出てきたテストでは結果を出せる若者」の切なさを描く。Twitterで語れる言葉に深みなんてない。でも、確かに刺さる。2023/08/27

うわじまお

28
1000冊目でした。Twittr文学……面白くないんだろうなと思っていたら、意外や意外、めちゃくちゃ面白かった! やはり食わず嫌いはいけないですね。ウソカホントか、慶應、早稲田、医学部卒のペンネーム作家たちが綴る、時代と社会に戸惑い、四苦八苦をさらけ出し、でも不思議と哀愁に満ちているエッセイ的な。好き嫌いはあるでしょうが、正直に「うまいな」と思える短編ばかりでした。お試しあれ!2023/08/30

まぁみ

19
10人(9人かな)が書き連ねた22編のショートショート集。面白かったぁ!どの作品も二度三度と読みたくなるから不思議(笑)。初見のphoさんやかとうゆうかさんがツボってしまって(笑)。22編全てが面白かった訳ではないが(ここ重要w)、買おうかどうするか…とーっても悩んだ末に、ひとつの時代ものだしな、と思い切った自分を褒めたい。色んなカラーがあって然り。でも読んでよかったと心から思うよ。2023/09/04

すけまる

17
『この部屋から東京タワーは永遠に見えない』から、似たようなテイストのいわゆるtwitter文学と呼ばれるものに興味がわいたので読んでみた。アンソロジーでいろいろな方が書いている。短いもので2ページくらいのお話もある短編集。ルンバの話が最初に掲載されているが、わかるわかるって共感しまくりで掴まれた。麻布競馬場さんが女性でそのお兄さんが妹のことを赤裸々に語っているのが『この部屋から~』と妙な繋がりを感じて面白かった。この本は共感を得る本なのか、それとも優越感を感じる本なのか。2023/11/08

きたさん

17
これが噂のtwitter文学、タワマン文学か。読後に残るものが虚しさしかない。幸せって一体なんなのだろう。そんなことまで考えてしまう作品集。辛い。2023/04/25

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