日本経済新聞出版<br> 21世紀の財政政策 低金利・高債務下の正しい経済戦略

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日本経済新聞出版
21世紀の財政政策 低金利・高債務下の正しい経済戦略

  • ISBN:9784296114306

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内容説明

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長期に及ぶ低金利、目標に到達しないインフレと低成長……。金融政策が実効下限制約に直面する中で、必要な経済政策とはいかなるものか。マクロ経済学の世界的権威が、経済の安定化に向けて、財政政策の役割を明らかにする。

財政政策については2つの対立する見方がある。1つは高水準の債務から債務削減を絶対的な優先事項とするものであり、もう1つは低金利を理由に財政には余地があり、債務の増加も排除すべきではないとするものだ。

一方、本書では、低金利は債務の財政面の費用だけでなく、債務の厚生面での費用も低下させるとして、低金利によって金融政策の余地が縮小する中で、財政政策をマクロ経済の安定化のために活用することの利点を提唱する。

日本は現在の金融政策や財政政策を続けることができるのか。財政破綻、金利上昇のリスクをどう見るか。日本が長期停滞を脱するための正しい方向性とは?

今後の日本のマクロ経済政策の方向性の輪郭を説得的に示し、1990年代以降の日本の金融政策と財政政策について丁寧に分析する。近年進められているマクロ経済政策の再検討において決定版となる一冊。

目次

日本語版への序文
序文

第1章 本書の概要
第2章 導入
第3章 金利の変遷、過去と未来
第4章 債務の持続可能性
第5章 債務と財政赤字による厚生面のコストとベネフィット
第6章 財政政策の実践
第7章 要約と今後の課題

訳者あとがき

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

サワークリーム

8
新聞テレビは何故か日本の債務だけを取り上げる。巨額の財政赤字というのは本当なのか、欧米諸国と比較するデータが見たかった。実質安定金利が実質経済成長率より低い場合、当面の間政府は支出を増加させ国債を発行しつつ全く増税しないことも可能。債務の増加は将来の増税の必要性を意味するとは限らない。2025/02/27

朝ですよね

5
本書は日本のインフレ率が上がる前に書かれたもの。2022年以降の政府・日銀は、ブランシャール先生から見れば合格点と言えるだろう。2023年に書かれた日本語版への序文でも肯定的な評価が読み取れる。インフレ時の金融緩和で実質金利は大幅低下。潜在成長率はおそらく0%台なので、r2023/07/29

Kyo-to-read

3
現状のマクロ経済状況を再度自分の中で理解、落とし込みをしようという試みの中でチョイス。本書では民間需要の低成長が継続している環境下で、安定金利が下方限界を超えて存在し、それゆえに金融政策が不全に陥っているものの、債務コスト自体も下がっている為、財政政策による需要喚起の必要性が増し財政赤字、債務拡大に正当性があるとの主張と理解。失われた30年での国家債務拡大も上記状況ではやむなしと説明される。ただ需要拡大については依然問題として残っており、高齢化、人口減少等の逆風がある中でいかに再成長を目指すかは不透明。2024/02/25

keepfine

2
1金融政策には実効下限制約の限界がある、2経済成長が金利を上回る(r2023/09/18

Kooya

2
低金利や債務比率の高止まりが恒常化した時代における財政政策の役割を論じた本。バイデン政権の経済対策やバブル崩壊以降の日本の政策対応もケーススタディとして扱っている。「安全金利が経済成長率を下回る限り、債務の暴発に対する懸念はなく、金融政策がゼロ金利制約に直面している状況では、政府が財政政策によって需要と生産を維持する必要がある」というのが筆者の考えだが、金利上昇時は債務削減に努めて政府需要を減らす必要があると述べているため、個人的には中立的な立場の経済学者だと感じた。(コメント欄へ続く)2023/08/27

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