内容説明
「息子を閉じ込める牢だって?」采配屋の与吉から普請仕事を請け負うおんな大工のお峰に、珍妙な依頼が舞い込んだ。笊職人の亀造の九つになる息子が、腕白を通り過ぎて長屋住人に迷惑をかけ続けており、女房と相談のうえ、家に牢を作る苦渋の決断をしたという。江戸城小普請方の家に生まれるも父を亡くし、大工として生きるお峰がひねり出した、痛快な代案の普請とは? ほっこり心が温かくなる人情時代小説!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
タイ子
81
「江戸のおんな大工」単行本改題。江戸城の小普請方(幕府の修繕工事)を勤める御家人の家。娘と息子がいるが、娘は大工仕事大好きだが、息子は跡継ぎにも関わらず漢詩等が大好き文学少年。だけど、それでは許さないのが世の常。娘・お峰は家を出て大工職人の道に。上方から江戸に料理屋を開店する店の普請やら、不要になった住居には猫集団が居たり、やたら動き回る息子に手を焼いた親が峰に依頼した牢の設置。それぞれの普請の理由がある営みの中で少しづつ大人になっていく峰の姿。惜しむらくはもう少し主人公にインパクトが欲しかったかな。2023/03/27
むつこ
26
江戸時代に女性大工がいた(この小説)とは驚いた。小普請方の長女として生まれた主人公・峰が早死した父にかわって叔父から嫁入りするように言われお屋敷を飛び出し大工となるお話。弟の門作は逆に跡取りなのに大工仕事が苦手、それでも後半ボチボチ受け入れていく二人の成長がよい。大工ってそこまでやるんだと、家を建てるだけが仕事じゃないのだなぁ、器用でいいなぁ~。2023/07/24
ごへいもち
12
表紙絵が好みでない2023/08/08
あずとも
4
江戸城小普請方の家に生まれ、父の背中を見て育った峰がおんな大工として生きていくことを決意し家を出る。様々な理由から依頼された普請を請け負い皆が納得する普請を考え出す峰の姿は大工というよりコーディネーターのようにも感じた。2023/04/05
Minamo
3
江戸時代、女のお峰が大工として生きるのは大変だろうけど周りに恵まれて普請を任されている。 弟思いのキャリアウーマン。普請を通して人々と意思疎通をしていく痛快人情時代小説。2025/07/05
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