内容説明
中国南北朝時代の「宇宙大将軍」侯景の乱を描いた表題作をはじめ、明代の黒竜江周辺、唐代のフェルガナ、三国時代の蜀漢など、様々な時代と地域を舞台にした中国歴史短篇集。収録作「黒竜の城」「天山の舞姫」「長安妖月記」「白日、斜めなり」「長江落日賦」
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ひろろ
5
この短編集で一番印象的なのは、やはり夏侯覇のお話「白日、斜めなり」ですね。復讐・友情そうした感情を携え戦い続けた夏侯覇はその後好きな武将の1人になりました。2016/12/02
紫鈴
4
個人的には前半の「黒竜の城」「天山の舞姫」「長安妖月記」が美女が出てきたり不思議な話だったりと、一風変わった歴史もので好みです。「白日、斜めなり」珍しく姜維や夏侯覇のお話。三国志の英雄が次々亡くなり、寂しさを感じます。「長江落日賦」貞白先生(陶弘景)が癒し。☆4
BIN
4
短篇集5篇。それぞれ時代は明、唐×2、蜀漢、南北朝の梁。蜀漢のものは夏侯覇が主人公で、魏にしろ蜀にしろ皇族として扱われたので、その差について語っている。蜀には孔明がいたにもかかわらず、文学はもちろんのこと史官もいないという変な王朝であることを述べているが同感です。やはりメインはタイトルになっている長江落日賦。宇宙大将軍と自称したのは笑えるところです。2015/01/23
にくどうふ
3
三国志好きの人たちの書き込みを見ていてこの本の話題が目に止まったので、とても久しぶりに田中芳樹を読む。 思ってたよりファンタジーだったが、そう言えばそういうのも書く人だったなと思う。 全体を通して一つの雰囲気を纏っている。まさに「落日」的というか、滅びの切なさ、あわれ、のような。読後はしんみりする。 よくスポットを当てられる人・時代から外れた通好みな感じで、王道を味わい尽くしてない内に読むのは順番違ってたかと思わないでもないが、興味深かった。2021/05/06
可不可
3
5篇の短編集。最初のお話「黒竜の城」が面白い。ほかにも「天山の舞姫」など、人物が生きている。2021/01/04