内容説明
深い森のまん中にある、深い深い穴の底。兄弟は空を見上げ、脱出の方法を思案している。土壁に階段をつくる。弟を肩にかつぎ上げる。どれほど見込みがなくとも、ふたりは生きなければならない。虫や木の根を食べ、泥水を飲む日々が綴られるなか、やがて物語は不可思議な幻覚と、めくるめく謎で満たされていく――。なぜ章番号は素数だけなのか。幻覚に隠された暗号とはなにか。そもそも兄弟はなぜ穴に落ちたのか。ふたりが辿りつく結末は、驚愕とともに力強い感動をもたらす。現代版『星の王子さま』であり、“深い穴”で生きるあなたに捧げる寓話。/解説=西崎憲
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
sin
69
訳者のあとがきは「寓意と暗喩に満ちた、大人の童話である。」と始まるが、寓意と暗喩と云うには具体的である。物語は兄弟が深い穴に閉じ込められた状態で始まり、そこを生き抜き脱出を計ろうとする。それにしても、この表紙のイラストはミスディレクションではないだろうか?確かに弟がせん妄し描き出す夢想はファンタスティックであるが、表紙のイメージではこの物語を童話と決めつけるかのように感じる。残念ながら著者の「…いろいろな角度から読める本なので、どのように読むかは読者の自由におまかせしたい」からは逸脱しているようなのだ。2023/09/27
眠る山猫屋
62
2023年度お兄ちゃん大賞第2位(嘘)。森の奥の穴に落ちた兄弟の過酷なサバイバル。「兄ちゃん、そのパン食べようよ」バチーン!「これはママの為のパンだぞ、次食べたいとか言ったら殺すぞ、虫でも喰っとけ」いやいやいや。マッチョな兄と夢見がちな弟。空腹なあまり幻覚見ちゃうくらい夢見がち。「俺は体力温存するからお前は虫も1/3ね」いやいやいや。でもそんなお兄ちゃんの秘めたる愛。どこが『星の王子さま』やねん、あ、サバイバル部分か?隠喩と寓話にカモフラージュされた絆の物語・・・かな?読み手によって(続く)2023/12/26
えりか
27
深い穴に落ちてしまった、名前も年齢も不明な兄弟。なぜ落ちたのかも不明。 冷静な兄と想像を超えた幻覚に陥る弟。 虫や木の根を食べながら、2人は脱出できるのかも一つのポイント。 この深い穴、いろいろな読み方があると思いますが、私は身近で想像しやすい「窮屈な生活」と捉えました。いつどこで、穴に落ちてしまうかわからない。むしろ、もうすでに私は深い穴の中に落ちているのかもしれない。 また謎めいた仕掛けもある。各章は素数のみ。それはなぜなのか。そして、隠された暗号の解読にぜひ挑んでほしい。2023/07/20
二戸・カルピンチョ
23
映画化がきまっているそうですが、これの映像化ですか。脚本家と演出家は何を見せてくれるのでしょう。「深い穴に落ちてしまった」兄弟は、食べる物も無く、実は食べる物は少しあるのですが食べてはいけなくて、虫や木の根を食べ泥水を飲んで生き長らえます。兄は沢山虫を食べ体を鍛え、弟は生命を維持するのにギリギリの量しか食べさせてもらえず…さてどういうことか、というお話。壮絶な描写に狂気を感じたり、兄弟の胸に去来する思いに唸ったりして、単純にストーリーを楽しめました。2025/10/05
コンチャン
20
タイトルの通り、穴に落ちてしまった二人の兄弟の物語です。これが、何かを暗示しているのか、全てを読み解くのは難しい。細かいしかけもあって(あとがきを読まないと全く分かりませんでしたが…)深読みできる作品だと思います。2024/01/16
-
- 電子書籍
- ご主人様の世界征服に協力いたします!【…
-
- 電子書籍
- 終わらない初恋【分冊】 3巻 ハーレク…
-
- 電子書籍
- 条件つきの愛【分冊】 8巻 ハーレクイ…
-
- 電子書籍
- 男色大鑑 改 武士編 6~身を捨てても…
-
- 電子書籍
- こんな人生は絶対嫌だ[ばら売り]第2話…




