内容説明
「三層には『竜』が出るらしい」。死した人間が魔物となる地下ダンジョンで深層を目指すシオンは、かつての仲間を失った因縁の地『偽竜鱗湖(ディスドラグレイク)』に流れる噂を耳にする。その真偽を確かめるべく、シオンとその一行はグランドギルドが高ランク冒険者に依頼した『特異調査』に帯同することに。
共に行動する「喪心傀儡(マリオネット)」クレアドールの圧倒的な戦力で、瞬く間に三層を進んでいくシオン達。だが――竜の前では無力だった。竜は、いた。絶体絶命の邂逅。
しかし竜は襲ってくることもなく、シオンを見つめていた。青く綺麗な、宝石のような瞳。それはまるで――。これは、若き冒険者達の恋と願いの物語。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
よっち
30
「三層には『竜』が出るらしい」。かつての仲間を失った因縁の地『偽竜鱗湖』に流れる噂を耳にしたシオンが、その真偽を確かめるべくグランドギルドが高ランク冒険者に依頼した『特異調査』に仲間と帯同する第二弾。共に行動するクレアドールの圧倒的な戦力で、瞬く間に三層を進んでいくシオンたち。しかしそこで出会い、圧倒的な力をの差を見せつける竜との絶体絶命の邂逅。そこからの思ってもみなかった展開と、気づいてしまったシオンの葛藤があって、やや駆け足気味だったのは残念でしたけど、その選択がもたらした結末はなかなか良かったです。2023/03/23
しぇん
20
一巻の内容がうろ覚えになってしまっていて、最初仲間誰が誰?だったかな、と。ダークファンタジー要素を余り感じる事が無くなってしまいましたが、完結にむけてつっぱしったので仕方ないのかな?と。綺麗にまとめられていて良かったです。2023/09/10
ツバサ
10
前巻から1年くらい経っていたので、厳しいだろうと思ってましたが完結です。しかし、シオンとアリスレインの人とモンスターの共存という形で締めくくられていたのは非常に良いです。ブログにてhttps://wing31.hatenadiary.jp/entry/2023/03/27/2109322023/03/27
ほしこ
9
今回で終わってしまうのが残念な、長く続けてたら面白かったろう展開がぎゅっとされてて、勿体ないなぁ...という感じでした。展開が早い、という印象はあまりなくて、じっくり楽しみたい世界だったなぁと。2023/04/11
真白優樹
8
迷宮三層に出た竜の噂を調査しに、高位冒険者であるクレアドールのサポートとしてついていく中、竜と化したアリスレインと再会する最終巻。―――これは汝の冒険だ、なれば結末は汝が決めよ。 竜と化した彼女を葬送するのか、それとも。二つの選択肢を前に迷う中、師匠の言葉に背を押されシオンが自分の答えを選ぶ巻であり、駆け足で進むけれどそれでも面白い、救いのある巻である。また出会い、共に歩いて旅をする。今度こそはと願って、掴んだその手。その手を繋ぎ進む先、きっとそこに終末はある筈だ。 うん、とても面白かった。2023/05/07