岩波文庫<br> 仰臥漫録

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岩波文庫
仰臥漫録

  • 著者名:正岡子規
  • 価格 ¥880(本体¥800)
  • 岩波書店(2023/03発売)
  • 夏休みの締めくくり!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント30倍キャンペーン(~8/24)
  • ポイント 240pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784003600429

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内容説明

「子規は死ぬ時に糸瓜の句を詠んで死んだ男である」.畏友の死について漱石はそう書いた.病の床から見える糸瓜棚.子規はその風情に己を重ね,昵懇の想いを寄せる.子規が死の直前まで折々に書きとめた日録.喜怒哀楽を筆に込め,命旦夕に迫る心境が誇張も虚飾もなく綴られる.直筆の素描画を天然色で掲載する改版/カラー版.※この電子書籍は「固定レイアウト型」で作成されており,タブレットなど大きなディスプレイを備えた端末で読むことに適しています.また,文字だけを拡大すること,文字列のハイライト,検索,辞書の参照,引用などの機能は使用できません.

目次

仰臥漫録
仰臥漫録二
解説……(復本一郎)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

藤月はな(灯れ松明の火)

73
食べた物を記載しているのですが、「結構、食べ過ぎているな・・・」と正直に驚いた。それは私が「正岡子規氏=病の中で句を詠んだ人」という悲しげなイメージしか持っていなかったからだ。でも実際は死の直前まで新聞へ随筆を掲載したり、スケッチしたり、友から送られた澱粉粉を種類ごとに顕微鏡で観察したりと活動的な人だった。この本を読んで改めて正岡子規像のイメージを改めさせられました。看護しているおりつさんへの気の利かなさへの愚痴に苦笑。だが、「死ではなく、そこに至るまでの苦が恐ろしい」という部分へは共感で胸を突かれる。2022/08/14

58
http://naym1.cocolog-nifty.com/tetsuya/2024/07/post-0bac9a.html 病床にありながらかなりの大食漢です。時折「食べ過ぎた」などという語も見えるくらいに。そして、結構グルメなのです。2024/07/04

chanvesa

31
包帯を取り替えるという記述がよく出てくる。『病床六尺』でもそうだが、この『仰臥漫録』でも同じだ。「(横腹の痛みを確認するため)ほーたい取替のときちよつと見るに真黒になりて腐りいるやうなり(96頁)」は強烈だ。やがて自殺願望の表現が現れる。「死は恐ろしくはないのであるが苦が恐ろしいのだ(110頁)」何て恐ろしい思いだろう。ご飯やお粥を3膳も4膳も食べ、うなぎを7串食べるのは、病苦との戦いのための燃料なのだ。妹の律への愚痴の一方で、自身の誕生祝いのために料理屋にご馳走を頼む際に彼女達の分も誂える優しさ。2022/12/03

みつ

30
新聞連載の随筆『墨汁一滴』の直後の時期に書かれた日記。糸瓜など多くのスケッチも収録されている。「蜂の巣のごとく」(p117)身体中に穴があき、寝返りも打てないほどに病状が悪化したこの時期に残された僅かな楽しみである食事、そしてその当然の結果である排泄について執拗なまでに綴られていく。随筆と比べても、自らの病状について綴った中江兆民の『一年有半』も一刀両断する(p117)ほどに、悲嘆が生々しく出ている。今のような制度がない中家族の介護も想像を絶するものがある中、妹律を「強情」で「冷淡」と悪罵をつきつつ、➡️2023/11/06

pirokichi

24
20年位前に読んで以来3度目。本書は死の前年の明治34年9月から死の直前迄の日録。よう食うわお腹をこわすわ臭うわ叫ぶわ哭くわ書くわ描くわ喜ぶわ…頁を捲る度に生身の子規がいる。頁を捲る度に子規を看ているお母様と妹・律の気配がある。「隣の時計九時を打つ」時計の音を数えながらしんとした心で子規は何を思っていたのだろう。「三人集つて菓子をくふ」お母様と律さんの胸の内はどうだったのだろう。今回は子規がその介抱を褒めた寒川鼠骨を気にしながら読んだ。鼠骨は焼失した子規庵を再建し昭和29年に死ぬまで守り続けた。すごい。2022/10/02

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