講談社現代新書100<br> 今を生きる思想 福沢諭吉 最後の蘭学者

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講談社現代新書100
今を生きる思想 福沢諭吉 最後の蘭学者

  • 著者名:大久保健晴【著】
  • 価格 ¥499(本体¥454)
  • 特価 ¥249(本体¥227)
  • 講談社(2023/03発売)
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  • ISBN:9784065315118

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内容説明

一九世紀後半、西洋は近代文明のモデルである一方で、独立を阻む脅威でもあった。この文明と独立の矛盾を乗り越えるために、福沢が重視したのが学問であった。グローバル化の始まりを目撃した蘭学者の軌跡。

【本書の内容】
当たり前の常識を疑い、意見の異なる他者と討議する。それこそが自由な空間であり、社会は前進する――。
学問と政治のあるべき姿を求めた福沢の思索を辿る。

●演説・討論を生んだ徳川期の知的共同体
●大坂の片隅でグローバル化の原理を探る
●攘夷思想とは異なる福沢の「兵学論」
●自由と専制の戦いだった明治維新
●自由は不自由のなかに生まれる?
●統計学ブームの火付け役
●トクヴィルを援用した「地方分権」論
●メディアの発展が情念をかりたてる
●蘭学者の「脱亜論」

福沢自身、明治八(一八七五)年公刊の『文明論之概略』のなかで、儒学が主流であった徳川時代と、西洋文明が洪水のように押し寄せる明治日本とは大きく異なると指摘し、まるで一つの身体で二つの人生を生きているようだとして、「一身にして二生を経るがごとく」と評した。政治社会は、「革命」的に変わった。では、この大きな動乱のなか、なぜ福沢はそうした鋭く冷静な洞察を提示できたのか。それは、福沢が徳川期から「蘭学」を通じていち早く西洋学術に触れていたからに他ならない。歴史は重層的であり、江戸と明治を架橋する文化的鉱脈の持続と変容に光を当てる必要がある。
徳川日本は、文化的な成熟を背景に、部分的とはいえ世界に開かれていた。その際、当時の学者たちが世界の情勢や学問を知るための手がかりとしたのが、蘭学であった。西洋世界との出会いについても、開国期からではなく、江戸期の西洋学である蘭学に遡って考えなければならない。――「はじめに」より

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1:それは、どんな思想なのか(概論)
2:なぜ、その思想が生まれたのか(時代背景)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

まふ

110
福沢諭吉の著作、評伝など機会のあるごとに読んできたが、本書は120ページの掌編ではあるものの、言うべきことを的確な言葉で必要十分に表現したクオリティの高い良書であると思う。蘭学者としての適塾での猛勉強ぶりはつとに聞き及んでいるが、咸臨丸での訪米、明治政府の欧州視察団への参加など、福沢はどんな機会も逃さず利用する天才的な技を持っていたといつも感心する。常に国としてのあるべき姿を考えていた福沢の視野は広く、在野であるからこそ自由に発言できたのであろう。2023/08/22

venturingbeyond

34
学部同期の大久保先生(とはいえ、在学中に面識はなく、昨年の師匠の退職パーティーで、塾高出身の友人から紹介され、初めて話した次第)の手による評伝。副題の通り、福沢の自己認識とその啓蒙思想の基底にあり続けた「蘭学」の学統にスポットライトを当て、その生涯と思想の変遷をまとめる。個人的には、江戸期の蘭学受容の基盤にあり続けた分厚い「儒学」の学問的伝統とそれにより鍛えられた蘭学者の「儒学的基盤」に関する叙述が印象深かった。豊富な原典からの引用もあり、伝記としても、近代日本思想史としても、良質の入門書になってます。2023/08/17

おせきはん

31
福沢諭吉の人生と思想がコンパクトにまとめられています。藩士の中で身分の高くない下士の家庭に生まれたことと蘭学が、思想の基礎となっていることを再確認できました。2023/05/30

さとうしん

19
洋学ではなく蘭学の徒、蘭学の継承者としての福沢の広範な思想・学問を解説。今まで行ったこともないはずのオランダを「第二の故郷」とまで言うのは微笑ましいが、福沢も蘭学者の多分に漏れず、中国への蔑視が見られたようである。最後に「脱亜論」と関連して、その発想の限界にも触れている。2023/04/01

oooともろー

7
福沢諭吉の原点は蘭学。福沢が当時抱いたグローバル化に対する危機感は現代にもそのまま通じる。深い学問の裏付けの無い輩による政治は危険。2023/06/07

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