内容説明
言語から政策へ、政策から言語へ――。
言語そのもの、言語活動に関わる政策・教育、政策に関わる言語活動という3つの柱を中心に、総合政策学の観点から、言語文化とコミュニケーションをめぐる先端的なトピックを第一線の研究者が多彩に論じる。
目次
第1部 ことばを学び、考える
第1章 ことばは世界を切り分ける
第2章 語彙意味論の冒険――fair の文化モデルに向けて
第3章 ことばは現実をどのように「すくいとるか」――体験・共感・言葉の所有
第4章 口承の物語に現れる人間と動物の関係を読み直す――南米アンデス高地のアイマラ語と北東アジアのアイヌ語の物語テクストから
コラム 朝鮮民族と言語、そして政策
第2部 場を創り、ことばを教える
第5章 グローバル社会を生き抜くために――第二言語運用能力の習得を目指して
第6章 日本語コミュニティの再想像――多言語多文化共生に向けて
第7章 自律的な日本語学習――学習者オートノミーの育成
第8章 外国語学習デザインの構築と運用――SFC ドイツ語学習環境における実空間とサイバー空間の連動
コラム 「普通話」の歴史と国家建設
第3部 政治を動かし、社会を変える
第9章 政治理念の言葉――フランスの六月蜂起が問いかけるもの
第10章 イスラエルのアラブ人――二つの言語のはざまで
第11章 小説が描く現代インドネシアのムスリム社会――フェビー・インディラニ『処女でないマリア』を題材に
第12章 越境する個人――言語の間に見出すアイデンティティ
第13章 科学にたずさわるのは誰か――科学の不定性とコミュニケーション
コラム 医療専門職養成課程モデル・コア・カリキュラムに見る「コミュニケーション」の捉え方