私たちが記したもの

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私たちが記したもの

  • ISBN:9784480832191

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内容説明

韓国で136万部、日本で23万部を突破した、『82年生まれ、キム・ジヨン』の多大な反響と毀誉褒貶、著者自身の体験を一部素材にしたような衝撃の短編「誤記」ほか、10代の初恋、子育ての悩み、80歳前後の姉妹の老境まで、全世代を応援する短編集。貧富の格差、家父長制、女性差別、誤解。悩みながらも、シスターフッドと自分のアイデンティティを大切にする女性たちの物語。

目次

梅の木の下
誤記
家出
ミス・キムは知っている
オーロラの夜
女の子は大きくなって
初恋2020
著者あとがき
解説 針を動かす時間、増殖するハーストーリー 金美賢
訳者あとがき

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

J D

64
 「82年生まれ、キム・ジヨン」で有名なチョ・ナムジュの短編集。いずれも女性が主人公で差別等の問題を中心に描かれる。私が無知なのか日本よりも女性差別の問題は根深いように思った。ラストの「初恋2020」には女性の力強さを感じた。「オーロラの夜」が分かりやすくて良かった。「誤記」や「ミス・キムは知っている」の二つは少しミステリアスだった。総じて面白かった。解説をこれからじっくり読みたい!2023/06/18

ゆのん

58
短編集。私の周囲ではK-POPや韓流ドラマが好きという人が沢山いる。私が韓国のもので1番好きなのは料理。とにかく美味しいものばかり。今回の短編集でも美味しそうな料理が登場していて嬉しかった。著者の作品を読むと等身大の韓国の家庭や文化、教育なども知れるが、特に実際の韓国での『女性』というものを描かれる事が多く、読む度に思うのは韓国の女性達はさぞかし生きづらいだろうという事。女性とはこうであるべきの枠があまりにも強固に感じる。そんな中でも戦い抗おうとする女性達を応援したくなる。2023/03/24

フム

30
図書館本。著者の『82年生まれ、キム・ジヨン』は韓国で社会現象になるくらいの大ベストセラーにもなり、私自身もこの本をきっかけにして、韓国フェミニズム小説に関心を持つようになった。韓国と同じように、日本もまた家父長制の影響は知らず知らず女性たちを萎縮させ、生き方を不自由にさせている面がある。小説を読んでいると、登場人物の彼女たちが私であり、母であり、友人たちであることを思う。 小説の登場人物は小学生から、高齢の女性まで幅広いが、それぞれの年代を生きるキム・ジヨンが描かれている。金美賢の解説も読み応えがあった2023/07/09

星落秋風五丈原

25
ああわりと初期の作品だなぁというイメージ「誤記」のラスト「~を書く」は太鼓の連打みたい。2023/04/06

kibita

23
恥ずかしながら、韓国文学を読むようになって、東アジアの家父長制の世界で生きてきて当たり前に受け止めていたあれこれ、「あれってあの時怒っても泣いても良かったんだ」とやっと気付く。「オーロラの夜」の義母(姑)との生活で『おかあさんと二人になったこの頃が一番楽なんです』に対して『チュンチョルがいないからよ。もうあたしはチュンチョルの母親じゃないし、あんたもチュンチョルの妻じゃないから』。誰かの母、妻が本音、本心を表すのはとても難しい。対するは世間だから。でも私達も、家族も世間もアップデートしていかねばね。2023/05/05

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