労働の思想史 - 哲学者は働くことをどう考えてきたのか

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労働の思想史 - 哲学者は働くことをどう考えてきたのか

  • 著者名:中山元
  • 価格 ¥2,475(本体¥2,250)
  • 平凡社(2023/02発売)
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  • ISBN:9784582703658

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内容説明

私たちは働くことから逃れられない。人類誕生から現代のグローバリゼーションまでを振り返り労働の功罪の価値を考察する。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

trazom

103
労働を切り口として思想史を振り返るというユニークな一冊。定住と農耕が始まり、労働は労苦を伴うものになる。その後の文明社会で「労働」と「仕事」が分化し、労働を嫌悪する風潮が起るが、為政者たちは巧妙である。教会は救済のしるしとして労働を神聖化し、カントは道徳的な教化として労働を位置づける。マルクスが、労働は資本家による搾取の現場だと指摘するまで「疎外」が進行するが、その状況は現代も続いている。今も会社側は「働くことを通じて自己実現を」などと悪魔の囁きをするが、そんな甘言に騙されるなと、若者たちに伝えたい。2024/04/12

たまきら

41
哲学科出身の夫が借りてきたものを盗み読み。「労働」を研究したかった夫は学生時代演劇に熱中し、バイトをしながらアート活動をしてきました。それは私も一緒です。私たちの労働への観点は一般的ではないかもしれませんが、勤勉なことに変わりはありません。現在は優先順位のトップは娘ですが、彼女が成人したらまた変化するでしょう。それが私たちグループの選択ですが、哲学者や経済学者はいきづまったこの国を、世界を変えるシステムを示せるのでしょうか。暑さで苦しむ野生動物のニュースを見ながらため息をつきました。2023/07/19

ケイティ

24
COTEN RADIOでマルクスの資本論の回が面白く、労働について理解を深めたくて手に取った一冊。労働の概念、形態の歴史がよくわかり、文章が明快で読みやすい良書でした。哲学者の観点が中心なためか、生産性や損益より「人間的であるか」「幸せか」に対峙しているのが興味深かった。もともとは神からの懲罰から魂の救済となり、工場化が進むと過酷さとやりがいに翻弄されていく。働くことの意義、定義づけの模索は今後も続くだろうが、また過渡期に入りそうな現代。ここまでの流れを知ったおかげで、むやみにモヤモヤしなくなりそうです。2023/06/06

ばんだねいっぺい

20
労働に対する思想が変遷してゆく様子を解説付きで読める本。バトンをつなぐように哲学者たちが多様な視点を示し、発展させてゆくのが面白い。これから先もまた、発展させてゆき、差別や疎外の温床としないあり方を模索してゆければ。2024/02/05

川越読書旅団

20
名だたる哲学者・思想家の労働に対する考えを、歴史的な背景も言及しつつ非常に明瞭に解説する。現況の資本主義に疑義が叫ばれる昨今、同書籍などを端緒に改めて労働を考え直しても良いのでは。2023/10/15

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