内容説明
カラスはペットにできないの? カラスの肉って食べられるの? 頭の良さで知られながら嫌われもする身近な野鳥。彼らを愛してやまない研究者がその生態と魅力を熱く語る。フクロウや渡り鳥の秘密。伝説となったドードー。カラスじゃない鳥類についても考察しつつ、気が付けばまたアイツの話に――。カラス博士による愉快でためになるエッセイ集。あなたのカラスの見方がきっと変わる!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ゆいまある
84
カラスの専門家による愛溢れるカラス本。作者について検索したらカラスの営巣には詳しいが、自身の営巣には興味無さそうな人だった。カラス以外の動物や猛禽類、はたまた戦闘機にも相当詳しく情報量は多い。世間で悪者扱いされているカラスを、良くも悪くもない、カラスはカラスでこういう生き物であると客観的に説明している。私は某元東京都知事ではないので、カラスは嫌いではなく、かといって特別好きでもないが観察はしてみたくなった。カラスは突然人を攻撃しない。必ず予告してくるとあるが、カラスを見ていない人はまず分からないぞ。2024/12/23
佐島楓
79
鳥類をはじめとした動物の研究者が書いたエッセイ。研究者とはいえ語り口はあくまでもフランクで、笑いを誘うような内容であるため、とっつきやすい。個人的にショックだったのは、ハチドリが虫を食すことと、毒を持った鳥がいること。わたしは鳥類全般が好きだが、同じ種を飼っていても個体差がずいぶんあるため、人間の枠に当てはめてはいけないなという実感がある。カラスももちろんそうだろう。彼らの多様性を認識する助けとなるのと、やはり動物の生態の本は読んでいておもしろいので、とくに鳥類の雑学を知りたいかたにおすすめです。2023/04/11
saga
65
小学生の頃、実家の近くの林の小道でカラスに威嚇されたことがあったが、ヒナを守るためだったのだと、本書を読んで理解できた。それでもカラスに悪印象はなく、むしろ興味を抱き続けていた。我が家の近くにカラスたちが塒にしている林がある。身近にいるカラスと仲良くなりたいとの思いもあって本書を購入したといっても過言ではない。本書は他の鳥類の興味深い話もあったり、カラスへの偏見を払拭しようとする著者の愛も感じられる良書である。そう言えば『カラス屋の双眼鏡』が積読だった(^^;2023/08/12
アイシャ
53
SNSでカラスがたまに持ってきてくれるプレゼント(ガラスの破片や石など、たまに恐ろしいものもあるらしい)を載せている方がいて、すごいなカラスと思っていたところ。以前犬の散歩をしていた頃に、巣が近くにあったのか、ただ面白かっただけなのか、頭の横をかすめて飛ばれたこともあって、カラスは怖い。作者によるとカラスが人間をひどく攻撃することはないとのこと。せいぜい足で蹴られるくらいというのだが、それ怖すぎるよ。表紙のカラスは手の中に入って可愛いけれど、実際はとっても大きくてやっぱり怖い。でもすごく身近な野生動物2024/09/06
流石全次郎
33
大学でカラスの卒論。大学院、博士論文もカラスの研究。そんな著者のカラス本を読むのは「カラスの教科書」に次いで2冊目(読書メーターと出会う以前)。この本は鳥類の研究者の立場からのエッセイ。カラスといってもカラスという種名の鳥はいない。家禽類のニワトリに関する蘊蓄とか、「へぇ」という知識がページをめくる毎に蓄積される。そんな本。著者は記憶にはないとは思うけど、著者が学生の時に短期間のアルバイトを依頼した事があるので親しみを持って読み終えました。今後の益々のご活躍をお祈り致します。2023/05/06