講談社学術文庫<br> 齟齬の誘惑

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講談社学術文庫
齟齬の誘惑

  • 著者名:蓮實重彦【著】
  • 価格 ¥1,265(本体¥1,150)
  • 講談社(2023/03発売)
  • ポイント 11pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784065312902

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内容説明

「社会とは、いくつもの齟齬感や、違和感や、隔たりの意識が複雑に交錯しあう苛酷な空間にほかなりません」――。
東大生の心を慄(ふる)わせた伝説の入学式式辞のほか、大学は知と人が行き交い別れる「寄港地」たれと説く「第三世代の大学」論、運動論、映画論など、仏文学・映画評論の大家が、学問と教育に関わるすべての人に真摯に呼びかける、知の革新のための書!

[目次]
いま、この書物の読者となろうとしているあなたに
一 齟齬の誘惑
二 真実の位置
三 第三世代の大学
四 東京大学をめざす若い男女に
五 視線の論理・視線の倫理
総長日誌
学術文庫版へのあとがき

「社会に生きているわたくしたちは、何かを理解することで変化するのだし、当然、その変化は社会をも変容させる契機をはらんでいるはずです。ところが、「何かを理解したかのような気分」の蔓延は、そうした変化や変容の芽を、いたるところでつみとってしまいます。」 ――「いま、この書物の読者となろうとしているあなたに」より

目次

いま、この書物の読者となろうとしているあなたに
一 齟齬の誘惑
二 真実の位置
三 第三世代の大学
四 東京大学をめざす若い男女に
五 視線の論理・視線の倫理
総長日誌
学術文庫版へのあとがき

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

mikio

12
「的確に「ノイズ」を排除することの得意な人を「秀才」と呼ぶ。彼または彼女が手にしている「ノイズ」の貧しさ故に、「秀才」たちは閉ざされた縦社会に保護されることを求めざるをえません。」齟齬感や違和感、隔たりの意識をもつ環境のなかで感性と知性を養うことを若者に語る。「個性主義」「独創性」が無闇に推奨される風潮を「たかが知れている」と一蹴する。切れ味鋭い東京大学元総長のことばに多くを気付かされた。 2023/05/27

oko1977

3
理解したふりの怖さ。 若さとは違和感、不自然さに好奇心を持って受け入れる姿勢。2023/04/23

さえもん

2
ふとした瞬間に見慣れたものが違う顔を見せて迫ってくる。それは、自分の家族についてたまーにある。でも、すぐに元通りの感覚になる。というよりは元に戻るまで何も考えず立ち尽くしているという感じ。そのまま、そのいつもとは異なる状況を引きずったままでは到底生活などできない。だから慣れきっているいつもの表情を取り戻すまでは何も考えない。2024/03/06

1
◯著者はニューアカの時期にポスト構造主義を取り入れた文芸批評や映画評論で注目された人。1997~2001年の東大総長。◯韜晦的な文章で有名だが、本書の式辞は明快かつ簡潔。複数の式辞を載せるので当然だが、同じ話題が多い。2024/03/15

halow

1
総長時代にいろいろやらされてたんだなあ。入試試験や体育大会のたびにやたら凝った文を書いているのが面白い。長めの式辞では、これまでの蓮實重彦の著作の議論が分かりやすくまとめられており、ひょっとしたら一番最初に読むと良い蓮實重彦の本なのではとも思った。2024/03/03

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