内容説明
河童、鬼、天狗、人魚、龍、雷獣、そして予言獣。異界からやってきた”不可思議な生き物“は、多くの日本人を魅きつけ、ある時は恐れられ、ある時は敬われながら伝承されてきた。江戸時代から明治時代を中心に、各地の絵図・ミイラ・報道記事を通して、妖怪という名前には収まらない奇想天外な生き物たちのめくるめく世界に迫る。絵図を多数収録!
【目次】
1章 幻獣名鑑
河童
鬼
天狗
人魚
龍
雷獣
その他の幻獣たち
2章 予言する幻獣
件
アマビコ
アマビコの系譜
予言獣の共通性
吉祥の幻獣たち
異形の幻獣
3章 記録のなかの幻獣
メディアと幻獣
江戸の幻獣文献
幻獣のデザイン
4章 幻獣の背景
予言獣の創造
諷刺としての幻獣
ミイラの伝承
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
HANA
75
幻獣とは妖怪でも幽霊でも未確認生物でもない不可思議な生き物の意。河童、人魚に雷獣等日本各地に出現した幻獣を紹介した本だが、図説と題されているようにイラストから実物の写真まで図版多数でそれを眺めているだけでもうれしくなってくる。著者の専門分野である幕末、明治の新聞記事が多いため、当時の人々の心性が奇妙な臨場感と共に明らかになってくるのも本当に面白い。特にこのコロナ禍で俄然注目を集めたアマビコについて詳しく言及されている部分等は特にそれが顕著だし。アマビコを見ていると彼らが滅んだのではないのが実感できるなあ。2023/08/21
さとうしん
8
江戸時代の瓦版、明治時代の絵入り新聞、はたまたミイラ、その絵はがきといった形で近世近代の図像から河童、人魚、天狗などの幻獣を探る。河童のような著名な幻獣もその姿形は必ずしも一定していなかった点や、特に明治に入ると中国など諸外国との関わりが出てくる点が興味深い。コロナ禍の中で注目されたアマビエ(正確にはアマビコ)についても、その名称や姿形など詳しい考証がある。2023/04/10
SAT(M)
5
河童、天狗、オニ、人魚、アマビコ(アマビエは誤記らしいです)などの“幻獣”を集めた本。筆者の定義では、幻獣とは今で言う所のUMAのように「もしかしたら存在しているかもしれない」と当時の人にとらえられていた生物を指します。完全な架空の存在である妖怪や幽霊などとは敢えて異なるカテゴリとして幻獣という概念を用いているのですが、その生物のものと伝わるミイラが残っているとか、当時の刊行物などに具体的な目撃談などが残っているなど何らかの証拠が残されているかどうかという点を線引のポイントとしているのがユニークです。2023/12/10
niz001
5
積読から回収。図が多いので割とあっさり読める。単なる紹介本としては1章で終わって文化的な考察に入る。面白い。予言獣に1章使っておりアマビエが元アマビコ説も2005年時点で指摘されている。2023/10/11
いな
4
2005年に刊行された本を2023年に文庫化したもの。河童や鵺など、日本の幻獣について書かれた本。 第二章に予言する幻獣について書かれた部分があり、アマビエについて詳しく考察されている。まさかそれから15年ほど後にアマビエが注目されるような出来事が起こるとは作者も思っても見なかっただろう。 また、第4章にて書かれている幻獣の背景についての記述も、その頃のアマビエの扱いに重ねて見ると納得する部分が沢山あった。 時代は変質しながら繰り返して行く様子を作者はどう見たのか知りたい。2023/04/25




