潮新書<br> 対決! 日本史4 日露戦争篇

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潮新書
対決! 日本史4 日露戦争篇

  • ISBN:9784267023743

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内容説明

大人気シリーズ第4弾「日露戦争篇」が刊行!
従来の間違った常識と通説を排して、日露戦争が日本と世界にもたらした時代の真実に迫る。

「戦争でいちばん最初に犠牲になるのは真実だということです。戦争が始まると、どの国でも人々は真実を語れなくなります。その結果、民衆が犠牲になるのです。」(佐藤優、本文より)

1904年に起こった日露戦争。その10年後に第1次世界大戦が勃発した。
欧米列強の思惑が背後で蠢いた日露戦争とは、第1次世界大戦へとつながる局地戦だった!
翻って欧米の代理戦争でもあるウクライナ戦争は局地戦であり、
世界は第3次世界大戦がいつ起こっても不思議ではない情勢にある。

世界戦争勃発のうねりとなった日露戦争の真実に迫り、第3次世界大戦を食い止める智恵を汲み出す。

「知の巨人」佐藤優氏と「歴史小説の雄」安部龍太郎氏による渾身の対談が刊行!

序章:日露戦争の歴史からウクライナ戦争を照射する視点
第1章:日清・日露戦争 東アジアの地政学
第2章:日露協約の挫折
第3章:日露戦争の前哨戦としての日英同盟
第4章:正戦論と非戦論
第5章:二百三高地の教訓
第6章:バルチック艦隊来襲
第7章:ポーツマス条約
第8章:日露戦争とは何だったのか

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Isamash

26
阿部龍太郎と佐藤優による2023年発行の対談第4弾。日露戦争がテーマで相変わらずとても面白い。阿部の日本軍の武器(陸軍の命中精度が良い有坂銃、海軍の高温燃焼の下瀬火薬や作動性の良い伊集院信管)の説明が半端なく凄い。また戦術無く多大な死者を出した203高地での戦い方と裏腹に、明石元二郎等の情報活動(バルチック艦隊の動きを多方面の情報で把握)が結構なされていた事実も印象的。長期的に相当な利権得たのに、賠償金を取れなかったことへの憤りからの日比谷焼き討ち事件も、日本メディアの普遍的程度の低さを痛感させられる。 2024/04/22

gtn

20
対談者二人に共通するのは、戦争は絶対悪という民衆視座。国益本位の覇権主義、帝国主義により日露戦争に至った軌跡と本質を分析する。それが破滅への道であったことも指摘。御一新後、外圧等理由はあれど、日本が列強諸国と並ぼうと目論んだことが、そもそもの誤りであったと改めて気付く。その愚かさはさておき、当時、日本は、独自の技術により、世界最新鋭の武器を有しており、それが日露戦争の勝利の一因であったという解説が目新しい。2024/08/08

オールド・ボリシェビク

8
戦国時代から日本史を語り尽くす対談シリーズの4作目。今回は日露戦争を巡る国内及び国際状況を振り返る。日露戦争で得た成功体験が、その後の日本の道を誤らせたことは何度でも強調しておくべきである。そして日露戦争は日本がようやく勝ちを拾った戦いであったことも。佐藤優が、ロシアのウクライナ侵攻とのアナロジーで日露戦争を概説するのも興味深いところである。2023/04/12

鬼山とんぼ

7
ロシアの南進を放置すれば日本がロシアの属国になる未来が浮かんでくるため、政府首脳は身の丈を超えた戦いと承知していたが、結局開戦に踏み切った。遠くの戦争は我が方の利益になるので、英米は日本に加勢する。しかし勝ったところで、日本には後に重たい荷物になる朝鮮と満州が加わっただけで、結局野放図な軍国主義化が進んだだけだった。読んでいて暗澹とした気分になったのはハンドリングを誤ると第三次世界大戦もありうるとの見解が披歴されたこと。ただ、中国もロシアも深刻な財政不安があるため、近い将来にそうなる可能性は見えないが。2025/05/05

5
冒頭にあった佐藤氏のコメント、「安倍は小説、私はノンフィクションと異なる分野で活動している作家ではあるが、二人の出自はいわゆるエリート層でなく、民衆出身だ。日清戦争、日露戦争についての話し合いを深めるなかで、私は自らの民衆性を再認識した。戦争に巻き込まれることは民主を不幸にする。この基本認識だけは、絶対に揺るがせてはならない。」の部分が一番印象に残った。これでシリーズ4巻目。この後どうなるのだろう。遡って別の時代についての2人の語りも読みたい。2023/03/26

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