中公新書<br> 物語 オーストラリアの歴史 新版 イギリス植民地から多民族国家への200 年

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中公新書
物語 オーストラリアの歴史 新版 イギリス植民地から多民族国家への200 年

  • ISBN:9784121027412

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内容説明

1788年、イギリスの植民地として出発したオーストラリア。ヨーロッパ移民が立ち上げた白豪主義の国は、資源と貿易を通じて成長し、1901年に独立。世紀20は戦争と移民政策で東アジア世界と交わり、世紀も多民族国家と21して独自の力を発揮している。本書は、英帝国やアメリカ、日本、中国と対峙しながら、ミドルパワー国家が台頭する成長物語である。旧版を全面刷新し、200年以上の海域の歴史空間を克明に描く。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

サケ太

19
非常に面白く、興味深い国。オーストラリアという国が他の植民地とどのような違いを持つのか。日本との関係性や白豪主義から移民国家への変貌。国家としての自立と確立。現在の東アジアでの立ち位置。今後も日本という国人とっても重要な地位を占めるであろう国家を知れて良かった。2023/03/30

寝落ち6段

14
英国植民地として発足したオーストラリア。アメリカの独立を見て、本国であるイギリスとどのような距離感で関係するのかを模索する。オーストラリアに直接関係のないイギリスの戦争に派兵するのはなぜ、WWⅡで日本が空爆を仕掛けても守れる構造にないのはなぜ。オーストラリアが、自らを独立した国であると自覚するまでを描く。その中で発生する「白豪主義」についても、外交や情勢などを勘案し、捉えなおしている点もよい。欲張るが、移民や外交に多くの筆を執っているが、豪州を形作ってきた先住民や自然への政策についても書いて欲しかった。2023/12/02

ジュンジュン

11
W杯予選で日本と鎬を削るオーストラリア代表。東洋や中東に混じってアジア予選を戦う姿は、現在のオーストラリアの立ち位置を表しているよう。20世紀、大英帝国の衰退はオーストリアに自立を強いる。排他的な白豪主義や南太平洋モンロー主義から、アジア重視の多文化共生社会を目指す。福沢諭吉風に言うと「脱・欧・入・亜」。建国から僅か120年、若く活力に満ちたオーストリアの歴史を分かり易く紹介する。2023/03/27

リットン

9
オーストラリアは世界史の中でもあまり扱われていないし、知ってるようで知らない国だなと感じる。白豪主義があったことは知られていても、今のオーストラリアのイメージとしてそんなイメージはほとんどないし、むしろ逆のポジティブなイメージの方がある。その流れを本書で読むと、国のアイデンティティも変わることができるんだなと感じた。けど、その変化の中では、今のアメリカやヨーロッパでもあるような移民排斥による社会の断絶もあったようだし、それらは多様性が高くなることと不可分なのかもしれないなーと感じた2023/03/19

預かりマウス

6
読み始め、少し舌足らずな表現が多いなという印象を受けたが、読み進めるうちに構成の迫力と内容の面白さから気にならなくなった。ただもう少しブラッシュアップできたとは思う。第一次大戦まではイギリスに忠実なイメージのあるオーストラリアだが、特に安全保障を巡って相当の葛藤があったことが印象的であった。例えば日英同盟・日露戦争で、ロシアの脅威が除かれたイギリスは極東から主力艦を引き揚げてしまうが、新興の日本と海洋で隣接するオーストラリアでは日本脅威論が芽生え、それがイギリスへの不信と自立心の醸成につながったという。2023/05/28

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