内容説明
一九五四年、文鮮明によって創設された統一教会。戦後韓国で勃興したキリスト教系新宗教の中でも小規模な教団だったが、日本に渡ったのち教勢を拡大、巨額の献金を原資に財閥としても存在感を強めた。「合同結婚式」と呼ばれる特異な婚姻儀礼、日本政治への関与、霊感商法や高額献金、二世信者――。異形の宗教団体はいかに生まれ、なぜ社会問題と化したのか。歴史的背景、教義、組織構造、法的観点などから多角的に論じる。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ネギっ子gen
68
【なぜ日本人は、日本の富と人材を韓国側に提供するに至ったか?】長く統一教会研究をしてきた著者による、この問題多き宗教団体にまつわる疑問4点を考察した新書。①統一教会が韓国で宗教的財閥となり、日本では霊感商法を行うカルトになる経緯。②「合同結婚式」と呼ばれる特異な婚姻儀礼。③日本人信者が、教祖ファミリーと幹部に支配される精神構造。④今後はどう対処していくべきか。巻末に詳細な参考文献。特筆すべきは、本書が読売グループの中央公論新社から出版されたこと。「嫌韓感情」に与する保守派は、この件で沈黙しているが……。⇒2023/04/24
Isamash
35
櫻井義秀北大文学研究院教授2023年発行著作。統一教会に関しての網羅的紹介書。教義内容に関してもとても詳しく記載されており、こんないかがわしい宗教に嵌るのには驚きも感じた。狂信的で自己犠牲的な日本の宗教活動とは違って、本国韓国では信者はビジネスライクな活動をしているらしくその為に集団結婚で韓国に渡った女性は洗脳が解けるケースもあるとか。結婚後数日間の性交行為の詳細までマニュアル的に定められていることにはビックリ。保守のはずの安倍元首相とこの韓国ナショナリズム教団の関わりの実態的な描写が皆無だったのは残念。2024/05/15
ゲオルギオ・ハーン
30
統一教会はメディアで取り上げられるがよくわからない宗教団体だったが、本書を読んでその全容が分かった。統一教会はさまざまな側面がある。宗教団体としては異端のキリスト教系であり、文鮮明が救世主としている理由も神を感得した女性との血分け(性交)というよくわからない理屈がある(さらに現総裁である韓鶴子は文鮮明が救世主であることを否定した新説を出すなど支離滅裂である)。布教戦略は韓国やアメリカでは無宗派層に呼びかけるのではなく他のキリスト教系団体から信者をとっていき、日本では地方から出てきた人々をターゲットにした。2023/09/02
coolflat
21
ⅱ頁。財閥と教団という異例の事業を韓国で率いる文鮮明一族だが、こと統一教会において、その収益を稼ぎ出している地は日本である。日本では霊感商法を行う「カルト」として認知され、1987年から2021年までに、1237億円を超える被害が集計されている。他方で、統一教会には多数の自民党国会議員や地方議員に無報酬の私設秘書を送り込む、無償で選挙応援を行う。組織票を回すなどの政治的活動を活発を行い、見返りを受けてきた疑惑も報じられている。統一教会は宗教団体でありながら、経済組織・政治団体の側面も持っている。2023/09/03
すーぱーじゅげむ
20
韓国ではスケベ教祖によるキリスト教フレーバーの異端教という印象だったものが、日本国内で高額献金カルトになった過程の部分が面白かったです。国内で高額の被害に遭った真面目な人は、教団周辺のお家騒動を知っていたらついていかなかったと思います。宗教側も勧誘される一般人や信者の信仰の自由をおかしてはならない、例えば、セミナー(周りと連絡の取れない心神耗弱状態)で信仰を迫ってはならない、という論理にものすごく納得がいきました。2023/08/29
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