内容説明
たった一つのどら焼きが、海を越え、時代も越える。
少女の切実な願いが胸を打つ感動巨編!
製菓学校を卒業した樋口和子(わこ)は、浅草にある奥山堂の門を叩く。
祖父が亡くなる前に作ってくれた特別などら焼きを再現すべく、和菓子職人への第一歩を踏み出すために。
だが、待っていたのは男ばかりの職人世界の逆風、なかなか工房に立たせてもらえない年功序列の社会。
荒波の中でもひたむきに努力を続ける和子は、やがて一人前の職人になっていく。
一方、調べていくうちに、祖父が第二次世界大戦中に出兵していたころ、ある船に乗っていたことを知る。
「お菓子の船」と呼ばれていたその船にこそ、どら焼きの秘密があるかもしれない。
当時の乗員に会って話を聞いていくうちに、和子は祖父の知らなかった一面を見つけていく。
ふんわりと溶ける皮、口の中でほどける餡子と、ひとつまみの“秘密”。
誰にでも、一生ものの忘れられない味がある。
「お菓子には不思議な力があるんだよ」
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
fwhd8325
85
なんとなくステレオタイプの物語かなと思っていましたが、時系列で物語が進み、核になる部分に戦時中のエピソードもあり、ノンフィクションの様相も感じさせてくれました。残念ながら、お菓子を食べて景色が浮かぶ、そんな経験はありませんが、こんな美味しいお菓子、どんな方が作っているのかと想像をすることは沢山あります。2023/05/25
ゆいまある
72
お菓子が好きだ。主人公ワコはお菓子を食べると時折映像が浮かぶ特殊能力の持ち主。祖父の作ったどら焼きが食べたい。その一心で職人に。祖父は第二次世界大戦中、給糧艦間宮(間宮については艦これやってる子供に教えて貰った)に乗っていた。そこにヒントがあるのでは?やたら多い登場人物、やたらにいる能力者。2023年刊行なのに看護婦、保母と用語はおかしいし高齢者施設と医療機関の区別さえない。艦隊好きにはそれなりに面白い本かもしれない。「どら焼き食べたいな(小豆の渋切りのこととか全然分かんないけど)」とは思った。【KU】2025/07/23
天の川
68
6歳の時に食べた祖父のどら焼きが忘れられず和菓子職人となった和子は祖父のどら焼きの味を追求する…。職人としての和子の成長は、かつて祖父が乗り込んでいた日本海軍の給糧艦・間宮について調べていくことで成就していく。1944年に南シナ海で沈没した、兵隊に糧食を供給するためにつくられた軍艦「間宮」の話が実に興味深かった。食材に不自由していた時代、この艦だけは職人達が思うがままに美味いものを作ることができ、外地で戦う艦隊は間宮の入港・糧食補給を待ち構えたのだ。(陸軍兵卒の方が悲惨な気がするなぁ…と思ったりもした。)2023/05/28
kei302
60
表紙カバーイラストのどら焼きをうっとりと眺めて、「あ~、どら焼き食べたい!」、桜の花びら? “お菓子”の“船”って、一体、どういうことだろう? 読み始める前から興味津々。和菓子職人として努力を続けるワコを応援しつつ、彼女の祖父徳造さんの戦時中の出来事やお菓子の風景を持つどら焼きの秘密、「マムロ羊羹」の由来など、祖父の過去が明らかにされていく過程が物語に奥行きを与え、読み応えがありました。2023/02/22
イケメンつんちゃ
45
上野歩 トランプ大勝利 こう見えてもババ抜きは得意ですから 僕はこの本がとてつもなく好きや 単行本を読んでみました 飛龍十番勝負 第三十二弾 今回は 上野歩先生 他人がどうあれ私は面白かった 超カッコいい とてもヒリヒリする トキントキンに尖ってやる 作家のうに 派手なピンクの毛沢東 最初に浮かんだのが 「あんどーなつ‐江戸和菓子職人物語‐」 「両口屋是清 千なり」 絶対あり得ないけどあるかもと想わせる 最終的に料理ミステリーで面白かった 「和菓子の命はアンコです」 ひなやんから頂いた言霊 アーバンシック2024/11/07
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