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内容説明
日本人が未だかつて経験したことのない、長く深刻な不況。国民の購買意欲は冷え切り、回復の兆しさえ見えてこない。構造改革を旗印に歩み出した小泉内閣の改革はいっこうに進まないどころか、政・官・財の癒着が内閣の足元を脅かしている状態だ。一方、金融機関の不倒神話は完全に崩れ、有名企業が消費者を欺いていたことも明るみになり、国民の不信感は募るばかりだ。日本人は、なぜこのような体たらくを演じる国民になってしまったのだろうか。本書に収められている批評の多くは、昭和四十年代後半から五十年代半ばにかけて発表されたものであるが、著者は経済成長優先の反面、「日本的叡知」が失われつつあった時代にやがて現在のような事態が到来することを見事に予測していた。物質的には豊かである一方、精神的な貧困により迷走を続ける日本。今こそ著者のいう「日本的叡知」を取り戻すところに、この事態を打開する糸口が見出せるのではないだろうか。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
むう
21
まだ二十代の大昔(笑)、読んで感銘を受けた作品ですが、ひょんなことから再読したくなり、アマゾンで\1で買って(送料別)取り寄せた作品です。懐かしく再読した次第。1970年ごろの世相、大学紛争が下火になったころに、日本の未来を担うべき若者に向け、京都大学教授として語りかけた提言の数々…というところでしょうか。もちろん、50年近く前のことなので必ずしも現実の2010年代にそぐわないものもありますが、それでも、日本人としてこうありたい、こうあって欲しいという著者の熱い理想が胸に沁みる一作でした。2017/02/19
金吾
12
3つの著作の抜粋です。会田さんの本は、大局から日本人をとらえているように感じますので、古い本でも参考になり、かつ面白いです。2020/09/22
あじさい
7
清濁併せ呑んだ日本人観が描かれている。亀の甲より年の功、密度の濃淡はあれども人生の先輩へのリスペクトを忘れてはならない、と再認識させられた。本作品は著者が70代後半に記したものであるが、本音と建前を含めた人間の性・業が、あえて分かり易い文章で構成されている。単なる懐古主義ではなく、日本人の民族的な特性を踏まえた世界の中での振る舞い方について、肯定か否定かに偏ることなく、あくまで中立的な視点で展開されている。こういう作品は、たとえ先天的能力が高くても、若手では書くことができないだろうな、と思った。偏見かな?2015/09/04




