内容説明
煤だらけの壁、テレビも冷蔵庫も電話もない、インスタ映えとは無縁の料理――そんなものが、なぜ人を魅了するのか? これからの観光の最重要ワードであり、廃村・空き家問題の救世主となりうる「アルベルゴ・ディフーゾ(分散型の宿)」。その哲学と実践を、イタリアと日本での豊富な取材を基に、徹底的に掘り下げる。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
けんとまん1007
41
一見、モノが溢れ、情報が溢れている今の時代。それゆえに、求められるもの、惹きつけられる人がいる。ずっと、日常の暮らしの中で残っているもの・こと。ここへの視点を見直すこと。2023/09/23
Meme
15
哲学的選択、哲学的空間、集団的記憶の蓄積など留め置きたい言葉の数々に出会えました。嬉しいです!なんで人は旅をするのだろうか?という答えのない問いを考えるきっかけにもなりました。人生の幸福度が上がった気がします!2023/03/29
gotomegu
5
イタリアの古い集落を改修した人気のホテル。日本でも空き家がたくさんあり、風土を生かしたホテルとその周辺をつくることが可能では?と考えるきっかけになった。偏狭な土地は都会ほどスクラップ&ビルドがあまりなく、色濃く文化が残っている。住んでいるひとはその魅力に気づきにくい。その地を愛して移住してくるひとほど、その地の価値がわかっている。後半に出てきた「哲学」。これがインバウンド対策でもすっごく大事なんじゃないかと、改めて思った。2023/08/18
風尾 発三郎
4
時代が変わろうとしている。 価値が変わろうとしている。 大切なものは何か? ホンモノ ではないのだろうか? 自分のホンモノは……大切にすべしと教わった。2023/07/30
linbose
3
★★☆☆☆アルベルゴ・ディフーゾとは分散型の宿などと訳される、地域に点在する古民家などを拠点として、自然や農村の暮らしを楽しむようなシステム(レセプションはひとつ、食事は村の食堂)又はその宿。本書は、イタリアのサント・ステファノ・ディ・セッサニオという村などでのその事例やプロデューサー、ダニエーレ・キルグレンの人物紹介が中心となっている。アレックス・カーの手掛けた小値賀町など日本の例も取り上げられている。/観光の「哲学」などと力んで解説しなくても、と思うけれど。2023/09/12