白ゆき紅ばら

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白ゆき紅ばら

  • 著者名:寺地はるな
  • 価格 ¥1,760(本体¥1,600)
  • 光文社(2023/02発売)
  • ポイント 16pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784334915155

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内容説明

行き場のない母子を守る「のばらのいえ」は、志道さんと実奈子さんが、「かわいそうな子どもを救いたい」と理想を掲げ営む家。そこで育った祐希は、未来のない現実から高校卒業と同時に逃げ出した。十年後のある日、志道さんが突然迎えに来る。しらゆきちゃん、べにばらちゃんと呼ばれ、幼少の頃から一心同体だった紘果を置いてきたことをずっと後悔してきた祐希は、二度と帰らないと出てきた「のばらのいえ」に戻る決意をするが。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

starbro

379
寺地 はるなは、新作中心に読んでいる作家です。一般家庭でも子供の生き辛い世の中、ましてや施設出身の子供達は、本当に辛いと思います。本書は白雪姫のようなハッピーエンドではありませんが、少し光明の見えるエンディングでした。 https://www.kobunsha.com/shelf/book/isbn/97843349151552023/03/29

fwhd8325

259
帯に「歪んだ愛」とあり、それなりに先入観をもって読みましたが、かなり重い内容だなと思います。偽善者というのは、おそらく身近にたくさんいるんだろうと思います。それはとても怖いことなのですが、身構えていないと巻き込まれたりするのだと思います。重いばかりでなく、ラストには救われ、希望を感じることができました。2023/04/15

のぶ

239
今回の寺地さんはいつもと随分違っていた。舞台は様々な事情で住む場所のない母子を受け入れる「ばらのいえ」。主人公はそこに暮らしていて高校生の時に逃げ出した祐希。「ばらのいえ」でなにがあったのか。逃げ出した祐希が10年後に戻ったわけは。幼い頃に感じていたことと、大人になった今わかること。理不尽で歪んだ暮らしと人を支配しようとする怖さがあって、正しいことが見えなくなっていく、諦めていく様子に絶望的な思いになる。育った環境で受けたものをどれだけ自身の意思で変えることができるのか。深刻なテーマを持った作品だった。2023/03/25

tetsubun1000mg

210
最近の寺地さんのほんとはかなり違ったダークな物語だった。 寺地さん本人の刊行エッセイを探して読むと、アメリカの連邦最高裁判事をつとめたルース・ベイダー・ギンズバーグのドキュメンタリー映画で、彼女が「女性を優遇してくれとは言いません。男性の皆さん、私たちを踏みつけるその足をどけて」と発言する場面があった。 この映画の紹介があったNHKの番組を見ていたので理解できたのだが。 寺地さんはこの作品の中ですべては「いろんな愛」から始まって歪んでいくことが有ると言われていたが、最後に明かりが見えてきたのが救い。2023/04/19

いつでも母さん

205
「生きていてください、お願い」春日先生の言葉だ。私の気持はここに集約された。どことなくレトロチックなタイトルと装画に不穏な感じを抱えつつ・・私をどこまで試すのだろう寺地さん。苦しい読書だった。ジメッとした気持ち悪さが付きまとうのだ。上手く言葉にして伝えらない人間を描くのは寺地さんの真骨頂だけれども、今作はキツく重い。ラストがなけりゃ沈んだまま浮上出来なかった気がする。そんな感じ、はぁ。。2023/04/07

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