内容説明
遣唐使からモンゴル来襲、ペリーの黒船来航から連合国軍による占領まで、日本が岐路に立たされる時、そこにはつねに「外圧」があった――。メディアでも人気の歴史学者と気鋭の国際政治学者が、対外関係の歴史から日本の今後を展望する。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kuukazoo
12
古代から敗戦・占領期までの日本史を国際関係から読み解くボリューミーな対談。大陸の国から適度に離れてたおかげで長いこと放っておいてもらえて割とマイペースでやってたところに時代の流れで黒船が来て、それ以来様々な「外圧」に絶えずさらされることになる。簑原氏の専門である戦前~戦後の日米関係についての話(日露戦争に勝って先進国の仲間入りをしたにもかかわらず排日移民法による人種差別は日本人にとって衝撃であり、アジア傾倒への契機となった)は興味深い。まだまだ知らないことがたくさんあるなぁと思う。2023/06/15
fseigojp
10
今回の対談パートナーの話はよく理解できた 2023/07/26
犬養三千代
9
読み応えのある一冊。簑原さんの知見が鋭くて頼もしい。本郷さんははんなりと返している。日本史の区切りを応仁の乱にするか明治維新にするかは人それぞれの見解があろう。激動期にはとんでもない天才が現れるのだと思った。白村江の戦いに始まり太平洋戦争まで楽しい読書でした。2023/09/23
オールド・ボリシェビク
6
お馴染み本郷先生とカリフォルニア出身の政治学者が対談している。遣唐使から占領時代までを「外圧」という視点から見直す。日本は外圧によってしか変わってこなかったとするのが、本郷先生の従来の主張だが、それを補強するさまざまなことが語られていて面白い。2023/02/15
市井吉平
3
途中までは例えペリー来航あたりでもあまり外圧感強めに感じなかったが、最後の現代に話題が及ぶとさすがにリアルタイムな話でもあり、外圧感は感じた。かなり意訳になるかもたが、今日本が置かれた危機を乗り越えるためにも、日本の歴史、とくに失敗から学べというところか。特に、他力本願というか現実を直視しない傾向のままではいけない!と。本郷氏はいつ本屋に行っても新刊が出てる状態だが、蓑原氏を知れたのはよかった。自分が日本の近現代史を勉強してこなかったのを痛感。2023/03/13