破果

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破果

  • 著者名:ク・ビョンモ/小山内園子
  • 価格 ¥2,970(本体¥2,700)
  • 岩波書店(2023/02発売)
  • GW前半スタート!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント30倍キャンペーン(~4/29)
  • ポイント 810pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784000615761

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内容説明

稼業ひとすじ45年.かつて名を馳せた腕利きの女殺し屋・爪角(チョガク)も老いからは逃れられず,ある日致命的なミスを犯してしまう.守るべきものはつくらない,を信条にハードな現場を生き抜いてきた彼女が心身の揺らぎを受け入れるとき,人生最後の死闘がはじまる.韓国文学史上最高の「キラー小説」,待望の日本上陸!

目次

表紙

本著作物について
訳者あとがき
著者略歴
奥付

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

青乃108号

208
破果、それは御歳65歳でありながら「業者」いわゆるエージェントから仕事を請け負う殺し屋であるところの老婦人の名である。物語は現在の、衰えたとは言えまだまだ現役の彼女のキレキレの仕事ぶりと、過去の彼女の悲惨な生い立ちを行きつ戻りつしながら語られるが、ストーリーの運びに一切無駄がない為息つく暇もなく一気に読まされてしまう。ラストの因縁の相手業者との死闘の場面のスリリングな事と言ったら。読んでて気付けば深夜というのに眠気も吹っ飛ぶ物凄さだ。韓国産の小説故か多少読みにくさを感じる文体だけど、面白さは保証します。 2024/02/21

fwhd8325

124
ノアール小説でいいのだと思うけれど、実に表現が豊かで文学的な薫りを強く感じました。とても面白い読書でした。これは著者だけでなく役者の表現力も随分と貢献しているのでしょう。行間にイメージされるシーンの数々は、あとがきにあるように映像化を期待したい。2023/08/05

モルク

123
65才女殺し屋。彼女の生い立ち、殺し屋の素質を見込まれ「防疫」の教育を受け45年ハードな場面をくぐり抜けてきた。彼女も自分の老い、心身共に衰えを感じ、守りたいものを作らないという信念が揺らぐ。老いた犬と暮らし、ふと知り合った年下の医師を思慕しその家族を守ろうとする。そんな彼女の変化が年齢の近い私には身にしみる。後輩の若き殺し屋トゥのこれでもかというほどの飽くなき挑発。そうか、彼はあの時の少年…それもまた悲しい。韓国のノワール小説もおもしろい。2023/05/04

アン

107
バラック村で生まれ、奉公先から追い出された少女爪角(チョガク)は、防疫と呼ばれる殺しの仕事を叩き込まれ、ターゲットは必ず仕留める女殺し屋として名を馳せてきた。守るべきものは持たず稼業一筋45年。そんな彼女も65歳を迎え、老いによる心身の衰えからは逃れられず、致命的なミスを…。密かな思慕と動揺、過去の苛烈な日々と因縁。彼女に執拗に付きまとう血気盛んな同業者トゥの存在が不気味で、終盤の死闘場面は息を呑む。熟した果実が朽ちるまで眩い瞬間は訪れるのだろうか…。冷徹な爪角が垣間見せる人間味に心揺れる韓国ノワール。 2023/06/09

aquamarine

89
65歳のベテラン女性殺し屋・爪角を主人公にした韓国ノアール。全く目を離せずに静かにどっぷりと世界に浸かった。全てを冷静沈着にこなしてきたつもりの自分に、怒りや同情慈しみなどの変化を感じ取り老いを意識する爪角。そして何かとつっかかってくる若い同業者・トゥ。トゥの抱えているものが何なのかや、爪角自身の生い立ちと過去が明かされるたび彼らはどんどん厚みを増す。ノアールらしいシーンもあるが一番残るのは血生臭さよりも心情だ。最後に視点を変えて語られるショップのシーンがたまらない。表紙の左手が涙が出そうなほど愛おしい。2023/03/30

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