内容説明
〈小文字の復興〉という視座
2011年夏、ふとしたことで、会津若松市にある大熊町被災者が寄り集まる仮設住宅を訪ねることになった。それから隔週で通うようになって9年―。
その間、あるときは被災者と寝食をともにしながら、またあるときは被災者にとって慣れない雪かきや雪下ろしを手伝いながら、被災者の発する言葉に耳を傾けてきた。
途中で、家族が離散するのにいくつも出会ったし、急に逝ってしまった人を野辺送りすることもあった。出会いと、その何倍もの別れがあった。
被災地の外側では、「忘却」に象徴的にみられるような社会的暴力状況が深くおぞましく進行している。
いつごろからだっただろうか。被災者に寄り添うかたちで、「大文字の復興」ではなく「小文字の復興」を言うことに、著者はある種の空しさをおぼえるようになった。
「小文字の復興」という言葉が被災者に届いていないことを、深く知らされたからだという。
被災者それぞれの「生」に寄り添うということはいかにして可能なのか? 希望の「底」で問い続けた震災10年目の復興論。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Go Extreme
2
大熊町、9年6カ月後の「いま」 復興施策のなかのコミュニティ:ポスト3.11は虚妄か 小文字の復興のために―コミュニティの再審に向けて 誰のためのコミュニティ施策か―絆補助金制度の虚と実 希望をつむぐ:出会いの可能性 復興へのささやかな希望 ふるさと幻想を超えて ゆらぐ墓石と多様化する葬送形態 震災アーカイブと外に向かう復興文化 希望の底にあるもの:犠牲のシステムとコ・プレゼンスの可能性 防災と多様な知の相克 「地域専門家」のひとつのかたち―中間貯蔵施設に向き合う人びと 希望の不定形な「かたち」2021/04/09
しお
0
論者の立場が偏っていた2021/09/15
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