内容説明
わたしが嵐の真夜中に閉鎖された墓地へと向かうはめになったのは、従妹のペトラのおかげだ。彼女が指導している少女たちが、そこで罪のない儀式ごっこに興じていたのだ。だがわたしが見つけたのは、胸に鉄の棒を突き立てられた男の死体だった。ヴァンパイア殺人! 事件はマスコミの好餌となり、わたしはその渦中へ……ショッキングな展開を見せるシリーズ最新作
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
NAO
59
シカゴの女性探偵V・I・ウォーショートスキーシリーズ。吸血鬼伝説からホロコーストまで盛り込んだ複雑でスリル満点のミステリ。いつものことながら、登場人物がとにかく多く、話が入り組んでいて、誰と誰がどのように繋がっているのかなかなか見えてこない。街は選挙直前。テレビでは、移民に対する攻撃的な番組が人気を博している。墓地での殺人事件は歪められて報道され、ヴィクだけでなくヴィクの母親までが誹謗中傷されることに。この作品のテーマは過去の捏造。真犯人はなんとなく想像がつくが、その過去にびっくり。これは予想不可能。2023/08/21
Masa
13
読了。読むのがすごく飛びとびなってしまって(1週間空けたり、とか)、全体像を把握するのが難しい1冊になってしまいました。それでもクライマックスは一気読みしたのでいろいろ思い出しつつどうにかこうにか。V・Iの物語としては珍しくあっさりしていたな、という印象。どうもいろいろチグハグな感じで、「う~ん?」なところもあったのですが、ここまできたらV・Iと一緒にシカゴを駆け巡るのが楽しみなので、それはそれで良いのです。今回はあの人物にも変化が。好きなキャラクタなので次作以降どうなるか楽しみ。2020/04/23
DONA
12
年齢のせいか、疲れてボロボロになる場面が増えている気がしますが、相変らず熱い気持ちをもって突き進んでいく彼女のことがやっぱり大好きです。ページ数の多さで読み終わるのに時間がかかりましたが、最後まで楽しく読めました。2012/11/20
niaruni
9
このボリューム。少し中だるみの感なきにしもあらずだけれど、語りが丁寧だからだと納得。ミステリーとしてもなるほどと思える造りになっている。アメリカってときどき信じられないほどすてきな人と考えられないほどどうしようもない人が出てくる国だけれど、その様子もしっかりと描かれている。そこがこの作品、このシリーズの魅力でもあるし、パレツキーという作家の良心でもあるのだと感じる。ま、理屈はどうでもいいのです。ヴィクのシリーズに関しては、読めただけで幸せなんだから。2012/09/26
sine_wave
7
子供らのカミーラクラブが墓地でミーティングを開いていたとき、そこで私立探偵が殺された。クラブのメンバーの縁でV・Iが調査に乗り出した。いつものとおり調査は辛辣なものに。そしてついにTV番組で、友達の記者であるマリ・ライアスンのたくらみが大成功。事件はめでたく解決する。2017/12/10