内容説明
患者・秋山和雄を診察したのは7月の終わりだった。CTスキャンの結果、脳底部に腫瘍影が認められた。脳外科医の俺は秋山を自分の大学病院に入院させた。それが事件の発端だった。手術の前日、執刀医が俺であることを確認した秋山は突然言った。「眼鏡を、かけられたほうがいいかと、思うのです」…何を言っているのかわからないままに、手術当日になった。頭部切開の最中、ふとしたはずみで秋山の髄液が目に飛び込んできた。俺の脳裏におかしな映像が映るようになったのはそれからだった。脳外科医の身に何が起きたのか?『蟻の棲み家 』(新潮文庫)の大ヒットで俄然注目が集まる著者による、本当に怖い長篇サスペンス!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
アッシュ姉
54
脳外科オペ中に起きたアクシデント以来、奇妙な映像が脳裏に浮かび、自分とは思えない思考や趣味嗜好に戸惑う脳外科医の苦悩。陰鬱な雰囲気に濃密な望月節が相まって、疲弊しながらも読みきった。2025/05/28
マキマキ
4
サスペンスというよりはSFぽいかな。脳内に多重な人格というか、想いが寄生する。医学の説明用語や主人公の研究説明にページ数を割いてるので、意外と物語的には盛り上がりというか、ハラハラ感は少なかった気がする。寄生者がどういったものなのかは、なんとなく描かれたので、こういう話によくある、モヤモヤは少ない。ただ最後乗り移るとの予想は外れた。そういう描写くるかなと思ったが、それ自体がよくあるパターンか!2023/12/10
大福
2
46冊目、読了。 医療系の専門用語が多いんだけど、 ちゃんと理解しないとこんがらがるわけではなかったので、助かった。 望月さんは、こーゆー本も描かれるのね。 主人公はやっぱり芯が通っていて、ちょっと秘密主義。 自分の運命から目を背けない強さが、本当の強さなんだろうな。2023/02/21
ドロンジョ935
1
脳腫瘍の患者秋山の手術中に髄液が目に飛び込んだ沢村先生。その日から回りの人に関する予知映像が見えるようになってしまう。煮物が食べたくなったり焼酎をのみ始めたり喫煙を始めたり、自分のなかにまるで秋山がいるような…。荒唐無稽のようなのになんだかつじつまがあってる怖さと気持ち悪さ。脳外科の専門的な記述も多いが読みにくさもなくて、この作者の他の作品も読みたい2023/04/02
kanata
0
ホラーなのかファンタジーなのか、後味悪くてイマイチ。32024/01/31
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