内容説明
ネパールは、ぼくにとっては魔法の国。その首都、カトマンズ。この街でなら、どのような奇跡やできごとがあろうとも不思議はないような気がした。形見の“螺旋”――アンモナイトの化石を手に、異国の地で死別した女の故郷を訪ねる男。魂月法とは、いったい何か? 妄執によってあるいは〈鬼〉と化し、あるいは〈鬼〉に喰われた人々の物語……。表題作ほか、全七篇を収録する、傑作幻想ホラー小説集。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Kira
18
図書館本。七篇収録。表題作は螺旋と月の話だった。昨年に『月に呼ばれて海より如来る』を読んで以来、月と螺旋の神秘性が気になっていたので、今回こういう話を読めてホクホクした。獏氏には〈螺旋の時代〉があると解説に書かれていた。その作品群の一つ『上弦の月を喰べる獅子』も読むのが楽しみ。「髑髏盃」ではヒマラヤの雪崩の恐ろしさが語られる。作者の実体験が昇華したものが『月に呼ばれて海より如来る』にも生かされていた。同書も再読したい。2024/01/10
dngr.sach
2
短編集=未完じゃないからそこは安心w2023/10/25
キュー
0
短編集。表題作は得意の螺旋テーマなのでスケールの大きい話になるのかと思いきや結構純な恋愛物で怖さはあるけど読後感は悪くない。他の短編は歪んだ愛やエロス、それと痛みの表現がちょっとぞくっとしてしまいますね。どれもサクッと読めてしまった。また短編をもっと書いて欲しいですね。2023/03/18