内容説明
福岡県北九州市で7人が惨殺された凶悪事件が発覚したのは、
2002年3月のことだった。逮捕されたのは、松永太と内縁の妻・緒方純子。
2人が逮捕された2日後に現場入りを果たして以来、
20年間にわたってこの“最凶事件”を追い続けてきた事件ノンフィクションの
第一人者が徹底的に描く、「地獄の連鎖」全真相。
【著者略歴】
小野一光(おの・いっこう)
1966年、福岡県北九州市生まれ。雑誌編集者、雑誌記者を経てフリーに。
「戦場から風俗まで」をテーマに、国際紛争、殺人事件、
風俗嬢インタビューなどを中心とした取材を行う。
著書に『風俗ライター、戦場へ行く』『連続殺人犯』『震災風俗嬢』
『新版 家族喰いーー尼崎連続変死事件の真相』『冷酷 座間9人殺害事件』
『昭和の凶悪殺人事件』など。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ma-bo
100
北九州監禁連続殺人事件に関しては豊田正義さんの「消された一家」を読んでいた事もあり衝撃具合は幾分ましであったが、改めて詳細に触れると心が痛む。「消された一家」は2005年刊行。本書は事件発覚から20年著者が追いかけた取材により、事件発覚までの詳細や被告の過去に留まらず、裁判のその後や、被害者親族や関係者の現在、被告達への思い、被告(松永)との面会等が描かれており、題名の完全ドキュメントに相応しい内容。最後の松永の現在を今を想像できないのだ。真っ黒に塗りつぶされているかのようという描写が印象的だ。2023/04/25
pohcho
63
監禁連続殺人事件という言葉からは想像も出来ないような恐ろしい事件。主犯の男は自分の手を汚すことなく周囲を操り、子供二人を含む七人もの人を殺させる。しかも七人中六人は、男と共に逮捕された内縁の妻の親族なのだった。長期にわたる虐待で弱らせた上に、子が親を夫が妻を殺し、10歳の少女までが弟の殺人を手伝わされ、その上遺体を切断し鍋で煮て、ミキサーにかけて証拠を隠滅する。もう地獄としか思えない。普通に暮らしていた人達がなぜこんな事になってしまったのか。理解しづらい面もあるが、マインドコントロールの恐ろしさを感じた。2023/06/21
あやの
61
この事件のドキュメントや関連本は色々読んでいるので付いていけるが、最初から最後まで残虐なので人にお勧めは出来ない。そして裁判資料を基に構成されているので、引用部分は読みにくいことこの上ない(何で裁判資料ってこんなに読みにくい文章なの……)。が、7人の殺人事件以前に起きている事件(事故)や被害についての経過も詳細に記述されているので、より犯人の異常性が判る。松永に関しては、神様が人間を作るときに何かバグって、人間の形をしたモンスターが発生してしまったとしか思えない。2023/10/15
なっち
47
相当な覚悟をもってこの本を開いた。関連書籍、モチーフにした小説、ドキュメンタリーと全て手を出して概要はわかっていたけど、緒方の妹家族が標的になる章を読むのが本当に辛くて、結末はわかっているのに幼い子供たちが逃げおおせて生きている結末が描かれていないか一縷の望みをかけている自分がいた。人々から奪い取った莫大なお金の使い道がよくわからなかったが、松永が普通に外食したり買い物をしたりと接客をした人がいたはずで、それがもう恐ろしい。松永は自身が通電されたことは一度もないのか?同じ目に遭わせてやりたい。2024/07/18
つちのこ
44
豊田正義著『消された一家』を読んでいたので、この事件の概要は知っていたが、綿密な周辺取材のもと、圧倒的なスケールで書かれた内容に改めて戦慄を覚えた。著者は『人殺しの論理』でも触れているが、主犯・松永との面会やその後の手紙のやり取りにおいても、蛇に睨まれた蛙のような精神的なストレスと恐怖心を抱いている。緒方が殺人に手を染めたのは、サイコパス松永の支配によるものだけとは思わないが、松永さえいなかったらこの事件はなかったはずだ。今だに松永の死刑は執行されておらず、遺族の心情と被害者の不憫を思うと胸が痛む。 2023/08/06
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