内容説明
「アフリカの水がかくも長く私を手玉にとるとは想像もできなかった」――幼い頃『少年ケニヤ』を読んで、アフリカに憧れた著者。獣医師となって初めてケニアを訪れ、サバンナの匂いを嗅ぎ、桃源郷を知った。それから通い詰めること四十年。野生動物を撮影するサファリ体験、現地の誇り高き部族との交流、影を落とす奴隷売買の過去…。アフリカを知れば知るほど、魅力と謎は深まっていく。愛してやまない逞しく個性的な人々と動物たちへの思いを綴る写真エッセイ集。
目次
第一章 『少年ケニヤ』がひとりの獣医師を生んだ
第二章 まずナイロビから
第三章 マサイマラ・クラブ
第四章 一〇〇万羽のフラミンゴの旅
第五章 オカピのふる里
第六章 カバの国探検記
第七章 アフリカに桃源郷があった
第八章 アリのいるアフリカ
第九章 バオバブの木の下で
第十章 J・グドールの気分となって(I)
第十一章 J・グドールの気分となって(II)
第十二章 ヌーの旅・私の旅
第十三章 ゾウたちの証言
第十四章 主食たちの物語
第十五章 アフリカで木を植える
第十六章 ドライバー、ヘンリー氏との旅
第十七章 ライオンのしごと
第十八章 雨季を旅する
第十九章 ザンジバルの休日
第二十章 まだ見ぬリカオンのこと
あとがき
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
piro
37
「キタキツネ物語」の企画・動物監督で知られる竹田津先生のアフリカ旅エッセイ。主にケニア、タンザニアの旅の様子が綴られています。悪く言うと「爺さんの思い出話徒然」ですが、これが興味深くて面白い。病気や危険生物が多い土地でのキャンプ生活、道が消える雨季のサバンナ行など苦行も多々あるものの、壮大な自然の中で野生動物の息吹を感じる事は極楽な体験なのでしょう。初のアフリカ行が小倉寛太郎さん(『沈まぬ太陽』のモデル)の企画だったと言うのも何だか興味を感じます。ンゴロンゴロ、セレンゲティ、一度は行ってみたい。2023/02/26
くらーく
4
不思議に感染する病らしい、アフリカ病は。著者の近所の写真屋さんとか。面白いね。そして、子供もどっぷりと。そんなに魅力的なのかなあ。ウォシュレットが無いところでは泊まれない、なんて若者が多い日本で、果たしてアフリカに行けるのだろうか? ただ、アフリカ病は強制的に治るらしい。ある年齢になると。そうか、それなら罹っても良いかな?と思いつつ、もうその年齢に近いな、とも。写真を眺めるだけにしておきます。2023/05/03
ラッキー
2
なかなか体験できない世界を教えてもらえた読書になった。自分の日常と並行して、アフリカの人達(野生動物)の日常も続いていることが信じられない。2023/11/06
Kazuo Ebihara
1
著者は、北海道斜里郡で獣医師として勤務しつつ、動物の生態調査を行なっていた。 78年、映画「キタキツネ物語」の企画、動物監督を務めた後、退職し、著述家、写真家になった。 本書は、雑誌「青春と読書」に連載されたアフリカ動物紀行を纏めたもの。 他の探検家の作品とは、自然、人、生物との距離感が全く違う。 アフリカの土の匂いや、動物の息遣いがビンビンと伝わってくる。 そういえば、わたし、小学生時代、『シートン動物記』が大好きでした。2023/04/15
りか
1
本屋さんでカバと目が合い購入を決意。笑 アフリカに魅せられた作者🦛 旅の記録×動物たちとの出逢いが事細かに書かれ、竹田津先生が撮影した写真が所々に載っていて行った事はないけれど一緒に旅をしたような感覚に。動物と人間が共存している世界、素敵。2023/01/15