内容説明
〈祠のもの〉が言う。
「赤い猿、赤い兎は殺して喰え」
謎の祠を祀った山を守る一族に伝わる怪…
「ふしの」より
怪を聞き、怪を綴って32年目突入!
実話怪談のレジェンド、恐怖極めたシリーズ最新刊。
体験者から聞き集めた怪異を連綿と記録し続ける伝説の実話怪談シリーズ、卯年編。
・夫婦の寝室で聞こえる不安定な足音。
生後すぐ亡くなった息子に違いないと言うのだが、そこにはある法則が…「蹈鞴」
・同級生をイジメで死に追いやった小学生。白を切ろうとするが、自殺した少年が現れて…「因業」
・山で遭難した姉弟が見た白兎と思しき姿。後を追った先にいたモノは…「鬼」
・山の兎だけは食べるなと言う祖母と、それを聞かぬ祖父。祖母がある呪文を口にすると猟に異変が…「ジビエ」
・なかなか治癒しない骨折と幻覚に悩まされる男。ギプスの中から謎の紙片が…「ギプス」
他、卯年にちなんだ兎絡みの怪など全30話収録。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
雨
29
今年も読めて良かったシリーズです。誰がどの話を書いているのか解らないところもいいです。何となく最後の「ふしの」は作者が分かる気もしますが。さてさて来年の干支でもある龍のお話も読みたいな。2023/02/10
qoop
10
本巻で累計51冊という超長期シリーズ。感覚的に竹書房系の背骨となるタイトルだけに、内容の充実ぶりは素直に頼もしい。高い物語性を持つ〈屋台〉、伊藤潤二の絵が浮かぶ〈迷路〉、嫌でも映像が喚起される〈鬼〉、厭な空気感の〈鍵〉、途中で声が出そうな〈ギプス〉、不気味の一言に尽きる〈食べない理由〉など、多岐にわたって印象的な話多数。干支に因んだ中では〈ジビエ〉が印象に残る。2023/01/30
せきぐちひろみ
5
誰が書いてるのかわからなくて何故か怖さ増し増し。 全員好きな作家なので楽しめました。2023/01/29
燕(つばめ)
3
4人の怪談作家による実話怪談集タイトルに「卯」が付くだけにウサギの話が多い、短編怪談にありがちな短いストーリーなので怖くない本当に怖い怪談や怪異は長編が面白いので、やや怖いもの好きの自分には物足りなかった。2024/01/12