角川スニーカー文庫 死にたがりのシャノン ドラゴンに食べられてみた

著者名：五月蒼【著者】/ファルまろ【イラスト】

KADOKAWA（2023/02発売）

• ISBN：9784041133873

内容説明

美少女魔法使いのシャノンは世界各地を旅をしていた。旅の目的は――自分が死ぬ方法を探すこと！　彼女は不慮の事故で悠久の時を生きる不老不死となった。もう、充分生きたからとちょっとでも死ねそうなイベントを見つけては向かっていく。凶暴なドラゴンに遭遇したらエサになろうとし、未完成の薬の治験●人体実験に進んで名乗りあげ、トラップ満載の未踏破ダンジョンには回避禁止縛りのゴリ押しプレイで挑戦する！「う～ん残念！　また死ねなかったか！！」でも死なない、不死身だから！　きっと広い世界の何処かに素敵な死に方があるはずとシャノンは今日も元気に旅を逝く！

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

[よっち]

不慮の事故で不老不死となってしまい、死ぬ方法を探すために世界各地を旅する美少女魔法使いのシャノン。広い世界の何処かに死に方があるはずと信じて今日も旅する連作短編集。死ねるかもしれないと凶暴なドラゴンに食べられたり、未完成の薬の治験≒人体実験に進んで名乗りあげ、息子の遺品探しでトラップ満載の未踏破ダンジョン攻略に協力したり、でもそう簡単には死ねないんですよね（苦笑）ひとり周囲と違う時間を生きてきた切なさを垣間見せながらも、それでも元気に前向きに旅をするシャノンのこれからの物語をまた読んでみたいと思いました。

2023/02/01

[オセロ]

死に場所を探して旅をする不老不死の美少女魔法使い・シャノンの物語。 5つの章からなる連続短編集で、天真爛漫なシャノンが旅先で出会う人々との交流はもちろん、シャノンの体質だから成せる人助けの話は優しい気持ちになれます。 死ぬことが出来ないからこその寂しさもありながら、それでも前向きに生きるシャノンの旅をもっと見てみたいです。

2023/02/03

[わたー]

★★★★☆とある事情で不老不死となった主人公のシャロンが、死ぬ方法を探して各地を放浪する連作短編。死にたがりの主人公ではあるが、素の性格があっけらかんとしていて考えなしなので、作品の雰囲気自体は明るめ。トラブルに自ら首を突っ込んでいき、死ねないことをいいことにフィジカルでゴリ押して解決するという超脳筋思考なのに、時折見せる傍観者であることへの諦観がいいアクセントになっていたと思う。ただ、欲を言えば、主人公と師匠とのあいだに何があったのかまで描いてくれていれば、より1冊での満足感が高かったかなと。

2023/02/04

[羊山羊]

不老不死のシャロンが死を求めながら旅をするファンタジーロードノベル。主人公の望みは死でありながら、旅で出会う人たちは死を以てしか叶えられない悩みがある。このミスマッチが作品に不思議なさっぱり感と朗らかさを与えてくれるため、読後感がすごく爽快！本人が知らずに会う人たちに救いと感動を与えていきながらも飄々としている様もポイントだ。好きな章は「迷宮のトラップって死ねる？」過去と今がキレイにブレンドされたステキな章。あと、挿絵が全部エロくて性癖まみれなので好き。太もも、おっぱい、お尻、ボテ腹もありまぁす！

2023/04/29

[サキイカスルメ]

不老不死の魔女シャノンは、死ぬ方法を探して旅をしている。今回はドラゴンに食べられてみたり、毒を飲んだり、死のダンジョンに挑んだりと様々なことにチャレンジする彼女の旅と交流のファンタジー。面白かった！不死の魔女シャノンの旅先での短編連作形式なファンタジー。死ねない魔女の死ぬ方法を探す旅という字面自体は悲壮感ありますが、当人があっけらかんとしているので基本は明るい雰囲気。その中でも不死になったきっかけや彼女自身が語った「傍観者」など、シャノンの時折見せる影によって面白さが増していたと思います。続きも読みたい。

2023/02/05