内容説明
奔放な発想力と独特の語り口が魅力の鏡花文学。小品・随筆・紀行文から「震災」「エッセイ・紀行」「百物語」「談話」などテーマ別に、鏡花の知られざる真髄を一巻にまとめた怪異文集。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
藤月はな(灯れ松明の火)
41
泉鏡花の粋でいなせな言葉で書かれた作品は何度、読んでも山吹、緑青、朱、白などの和の鮮やかな色が眼前にありありと浮かび上がってきます。関東大震災で被災した時の随筆も目の前に信じたくない光景が現実となっている事実が描写されています。怪談を描くときの心得もふむふむ。2013/02/05
鷺@みんさー
31
やはり鏡花は文章が美しいなぁ2024/09/02
踊る猫
29
漢語を多用して硬い文字を散りばめているぱっと見の印象に反して、頭の中で文章を朗読していくとするすると読めるから不思議だ。女(鏡花的に書けば「婦」)のエロスが感じられ、それに男たちが翻弄される。ワンパターンと言ってしまえばそれまでなのだけれど、なかなかどうして堂に入っており流石と唸らされる。推理小説や実話怪談(例えば平山夢明あたりの作品)にも通じるテイストがあり、鮮烈な怖さがある。鏡花をもっと掘り下げて読んでみたくなった。それにしても、ポリコレ的にこの「婦」の書き方はどうなんだろう。フェミニストはどう読むか2019/01/03
HANA
20
鏡花の磨き込まれた日本語を存分に堪能することができる一冊。小説では雰囲気だけでここまで怖がらせられるものかとひたすら震え上がり、随筆では関東大震災の最中に幻視を見、百物語ではひたすら怪異に親しむ、どこを取っても隙がないのは名人芸とでも言うべきか。「たそがれの味」「怪異と表現法」は鏡花の小説を読む上で何かしら大事な要素であるようだし、「黒壁」は題材文章ともに悽愴の気を孕んでいる。小説篇は何となく全てが実話怪談っぽい。小品集なので独特の文体にも親しみやすいので鏡花入門としてもいいのではないかと思った。2012/06/16
かもめ通信
19
泉鏡花は自他共に認めるおばけずきだった?!関東大震災の被災体験を綴るにもどこか不思議で妖しく美しい何とも奇妙な読み心地。小説、随筆、談話等々鏡花の小品がふんだんに収録された、文豪怪異小品集シリーズの第1弾。今月末まで勝手にやっている平凡社祭のために(おかげで?)積読消化。なかなか面白かった。2016/06/25
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