内容説明
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なぜ大学生は「やりたいこと」や熱意を問われ,語るようになっていくのか? 労働市場媒介者が果たす役割と大学生の状況の定義を明らかにし,就職情報サービスと彼らの行為によって成り立つ「就活」の仕組みを解明する.
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
Mc6ρ助
18
なにか違和感を感じてきた「就活」、その諸相を切り取って見せてくれるこの本は、かつて企業側からこれに関わった爺さまのいろいろな疑問に答えてくれる。違和感を抱きながらも続けてきた我々が、「いずれ説明責任を果たす」という人々の管理・監督責任を問うことができなくなってしまったことは、この本とは違う話に見えて実はどちらも今の日本が今のようになった理由だと思い至る。民主主義が投票だけでは維持できないというが世の中の不条理なことにことごとく異を唱えなければならなかったかも知れないのはいささか荷が重いことだ。2024/01/03
てくてく
3
就職活動におけるいわゆる「ガクチカ」チェックを求められるものにとって、あの「ガクチカ」や「やりたいこと」はなぜ書かされるようになったのか、また、あれは何を語るものであり、何のためにあるのか、といったことに疑問を持っていたこともあって、なかなか面白一冊だった。就職活動とはどのようなものであったのかを残す資料としても、インタビュー部分はとても大事だと思った。 2024/04/09
takao
1
ふむ2024/09/28
ヒラマサ
1
大学生が「やりたいこと」を語ることを求められるようになった経緯と構造を明らかにし、また、上位大学だけでなく、境界的な立ち位置にいる大学や女子学生を対象にした調査も踏まえ、ライフコースの個人化とそれに伴う就活生による「労働市場の捉え方」が記述されている。そして「イベント型の就職活動は、個人の自律性と責任を大学生に求めているのではなく、個人の同一性を解体させることによって市場への適応を求めている。」(p213)と結論する。 昨年1年間大学院生として就活した体感ともおおむね合致し、面白かった。2023/10/15
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