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内容説明
ナッジとは、より良い行動を促すことであったが、スラッジとは、理性的な意思決定を妨げるような「悪いナッジ」を表す。ビザの申請や年金給付などの場面で、申請者にとって合理的な選択を阻むものが生じるのはなぜか。スラッジ発生の仕組みと削減について解説
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
壱萬参仟縁
56
スラッジとは、人々が何かを手に入れようとするときに邪魔立てする、摩擦。移動を強いることも多い。わかりにくい行政手続きをとることも多い(15頁)。スラッジの被害者は社会で最も貧しい人々である、という点を強調しておきたい。差し迫った問題を山ほど抱え、解決と向き合わなければならないからだ(45頁)。大きな弊害を引き起こす可能性がある。高齢者では認知能力を低下する人が多いためだ。スラッジが必要とする根拠で最も興味深く、奥深いのが人間は間違いを犯しうる事実への対応としてスラッジを温存すべきという考え方(89頁)。2024/08/18
更紗蝦
31
スラッジとは「人々が何かを手に入れようとするときにそれを邪魔立てする、摩擦のようなもの」であり、典型的なのは、「書類作成などの行政手続き」です。困難な手続きは、最も支援を必要としている人ばかりをふるい落とすように作用するので、突き詰めればそれは「命の問題」ということになります。アメリカ政府はコロナ・パンデミックの対応の一環としてスラッジの撲滅を進めましたが、日本政府は撲滅どころか目に見えて増やす方向性に舵を切っており、それはマイナンバーやインボイスのごり押しという形で、現在進行形で突き進んでいます。2023/02/28
izw
9
著者は、ナッジを一般に広めた一人で、オバマ政権時代にホワイト・ハウスの情報・規制問題室(OIRA)の室長を務め、様々な分野の規制のあり方を監視した。元々書類作成負担削減のために創設された組織で、書類作成負担削減が重要な課題だが、取り組み始めたのが任期終了間際だったので十分に対応できず悔やんでいる。その後スラッジの弊害について学び、本書執筆に至った。スラッジは、ほとんど有害で無くすべき対象であるが、好ましくない決断についてはスラッジによって再考を促すことに役立つ。スラッジとナッジの有効活用は重要である。2023/05/26
naobana2
5
助成金申請の面倒臭さとか、なんでそんな非合理的なものが出来上がるのか考える機会に。2024/04/13
ふら〜
5
学問としては行動経済学の範疇にはいるのであろうか。ぬかるみ、泥濘を表すスラッジをキーワードに、さまざまな手続に内在するめんどくさい仕様(それによってなんらかの申請や後続を諦めてしまうような類のもの)は悪であるという主張。こういう発想はなるほど理解できる。公共政策の領域ではなんらか新規施策をする際は不公平感をできるだけ見えなくすることが求められていると感じるが、このスラッジという概念を優先順位高い所に置いた際の政策決定というのは興味深い。欧米スタンダードになり得る考え方は頭に入れておくに越したことはない。2023/03/08
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