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内容説明
フランス革命以降、人権への強い関心の潮流は止まらず、世界は今最もリベラル化していると言える。とはいえ、さらに男性に変化が求められる近年は、フェミニズムの視点抜きで、国や企業の成長は語れない。世界標準に遅れ、その分、伸びシロたっぷりの日本が知るべき「男女同権」の歴史とは? 米国で家族法を学び、自身も後発で目覚めた著者が、熱狂と変革のフェミニズム史を大解剖。ウルストンクラフト、ボーヴォワール、マッキノン、与謝野晶子など、主要フェミニスト五十余人を軸に、思想の誕生とその展開を鷲掴みした画期的な入門書。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
GAKU
17
斜め読み2023/01/30
はるき
12
分かりやすい。歴史を学びつつ、自分をアップデートし続けたい。2023/12/04
die_Stimme
5
なんでこの人がフェミニズム本を?という疑問もあるし、今に至るまでほとんどの私の観測範囲のフェミニストたちにほぼスルーされているのだが、予想よりもずっといい本だった。おそらくだけど、それは山口さん自身がフェミニストと言えるかどうかにかかわるのでは。おそらく多くのフェミニストたちにとって山口さんはフェミニストとはみなされていないと思う。また、本書の中でも自らをフェミニストだと立場を表明している箇所はなかったと思う。これも明示されていないがつまり、女性が書いた、非フェミニストによるフェミニズム本、なのだと思う。2024/01/04
田中峰和
5
フランス革命から、ヨーロッパのフェミニズムの歴史をたどる。女性社会政治同盟(サフラジェット)を組織したエメリン・パンクハーストは映画化されたことでも有名。日本では70年代、中ピ連を組織した榎美沙子がいた。ピンクのヘルメットをかぶった美人闘士はなぜか滑稽だった。アグネス・チャンと林真理子の論争も面白かった。80年代はアグネスが楽屋に子供を連れてくることをプロ意識の欠如と批判したのだが、今なら林真理子の敗北は確定。女子ボクシングの金メダル選手に、張本は女性が殴り合いすることを批判し、大バッシングを受けた。2023/05/30
朝ですよね
4
大掴みするとリベラルフェミニズム→ラディカルフェミニズム→マルクス主義→エコ、カルチュラル→男女解体も含めた多様化、といった形でブームが来ている。最終章で日本のフェミニズムについてまとめている。アメリカのフェミニズムは父の権威からの解放を目指しており、家父長制に対する批判が強い。一方で、日本の運動は母性を中核に発展してきた。母性保護論争の時代から、与謝野晶子側の主張は平塚らいてう側に比べて支持者は少なかった。著者は、これを男女の差異や母性幻想を潜在的に肯定していると指摘する。2023/03/22