内容説明
「万人は決して平等ではない」
中国はなぜ、民主主義社会と真逆の信念を抱き続けるのか――現代の「常識」だけではわからない、新時代の教養がここにある!
序 論
孔 子
孟 子
始皇帝
董仲舒
文帝と煬帝
武則天(則天武后)
郭巨(「二十四孝」のうち)
聖王舜 (「二十四孝」のうち)
孟宗と王祥 (「二十四孝」のうち)
三人の女 (「二十四孝」のうち)
孟母(「列女伝」のうち)
京師節女 (「列女伝」のうち)
節婦と烈婦
龍女と変成男子
徽宗皇帝
朱 子
岳飛と文天祥
朱元璋と永楽帝
ヌルハチと乾隆帝
西太后と康有為
孫文と袁世凱
蒋介石と毛沢東
中国共産党とは何か
あとがきにかえて
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
乱読家 護る会支持!
5
⚫︎天人相関説は、天が選んだ皇帝と徳のある官僚による人民統治の考え方であり、宗教。この考えは、天に選ばれた皇帝を権力の絶対者とするもの。 ⚫︎性三品説は、人間の品性には上品、中本、下品の三種類があり、下品の人間は生まれつきの悪で、改善する余地は無い。人間の格付けをする事になり、中国は民主主義が生まれない土壌になった。 ⚫︎儒教の聖典は孔子を聖人にまつりあげるために、でっちあげていったもの。 独裁者・習近平が死んでも、中国共産党が倒れても、中国は民主化せず、独裁者による「恩知らず」な国であり続けるようです。2023/09/15
Kolon
2
儒教の毒を再確認するために最適な本。 アメリカのエリートでさえ、儒教を理解せずに中国外交戦略を組んでいた事で判断を誤った。 日本の政治家や外務省のチャイナスクールも同様。2023/05/27
かずい
1
中国がなぜ民主化できないのかを儒教を通じて考察していく内容。朱子学になると祖法や考(孝行)を重視しすぎるあまり時代に適応した合理的判断ができなくなり貿易や経済、軍事など活性化せず、明や清朝は滅びた。日本の徳川幕府も朱子学を重視したために明治維新に対応できずに滅んだという箇所は日本人として実感した。中国や朝鮮が経済成長が遅れたのも朱子学が根強く残っていた面は大きい。日本の戦中も内向きなナショナリズムは朱子学の色が強く出ていたように感じる。現在でも少数だが朱子学色を出しているような思想も見えて面白い。2024/01/17