内容説明
結婚もした、両親も看取った、私に残ったのはいよいよ〈あの欲望〉だけだ――。懐かしい母の味を再現しようと奮戦し、動脈硬化を注意され、好物の牡蠣に再三あたり、でも食欲と好奇心は相変わらずの日々から生まれた風味絶佳のおいしいエッセイ集。コロナ禍の最中に逝った母をおくった、話題の「リモート葬儀顛末記」を附す。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
いつでも母さん
165
阿川さんの食エッセイ。いつも通り読みやすいが、何となく以前に聞いた(読んだ)事があるような・・のもあって、ちょっと新鮮味に欠けるような感じは、エッセイにありがちか?それでも鶏飯は作ってみたい(笑)お母様をおくった『リモート葬儀顛末記』もほろりと面白く読んだ。 2023/08/31
よこたん
49
“自慢じゃないが、私はこの歳に至るまで四回、牡蠣に当たった経験がある。” 食いしん坊は、時に無鉄砲で人から呆れられても、基本懲りないのだ。阿川さんの本は『聞く力』しか読んだことがなく、食エッセイはずっと気になっていた。こんな感じなのね。遠い昔に読んでいた佐藤愛子さんのエッセイを思い起こさせる。家での鶏飯、コロッケ、サラダ…、外食の思い出話は、同時に父と母との懐かしい記憶でもある。材料も分量も作り方も、ほぼだいたいで済ませることには強く共感。料理結構出てきたのに、頭に残るのは牡蠣とアニサキスの件だとは。2023/05/04
ぶんこ
45
お正月に読んだのが敗因でした。ご馳走の続く日々に読んだからか、途中で飽きてしまいました。(申し訳ない)最初のうちは献立が大変・・自分の新婚時代を思い出して(そうそう)と思ったり、お父上の暴君ぶりにお母上のご苦労を思う。サラダ関係の記事が続いた時は、ドレッシングソルトを検索したりと楽しんでいたのですが、段々と変わり映えしないと思い始め、2/3でギブアップ。お母様のリモート葬儀だけを後から読み足しました。リモートは、確かにITに詳しい人がいないと難しい。2025/01/02
あや
43
阿川佐和子さんの食べ物エッセイは数多く読んできて、どれも面白いけど、これも面白い。そして美味しそう。とくに食通のお父様にまつわるエピソードが面白い。不謹慎だけれどお父様の最後の会話となったとうもろこしの天ぷらのエピソードが阿川弘之さんらしいと思ってしまった。阿川家に伝わる独特の牡蠣飯も美味しそう。2024/01/12
だのん
27
初めての阿川さんエッセイ。毎日の献立のこと、共感しかないです。なんだかんだと言いながらも、結構手の込んだ料理を作られていて、とても美味しそうな描写に食欲がわいてきます。面倒くさがり屋な私も料理をする気になってくる楽しい読書でした。2023/05/25
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