内容説明
自然と命の不思議を描いた作品集。「花豆の煮えるまで」「緑のスキップ」など、11編とエッセイ。巻末には著作目録と年譜を掲載。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
はる
59
美しく悲しい安房直子さんの世界。時には優しく、時にはちょっと怖い…。「初雪のふる日」は初めて読んだ安房さんの作品。何度読んでも引き込まれる印象深い物語。「花豆の煮えるまで」も郷愁を誘う雰囲気が好きだなあ。叙情的なファンタジー。巻末にはエッセイもあって嬉しい。子供の頃の思い出や好きな児童文学、絵本のことなど興味深い内容。ちなみに好きな児童文学は「小公女」。好きな絵本は「もりのなか」「しろいうさぎとくろいうさぎ」とのこと。 2022/12/31
うめ
22
小学生の頃何度も繰り返し読んだ小夜の話。あの頃は何故この物語に魅かれるのか分からなかったのですが、今回のエッセイを読んで納得しました。私も小さい頃は喘息持ちで幼稚園も小学校も年の半分も行けなかったから。だからこの物語からかおりたつ、ある種の孤独に、強いシンパシーを感じていたのだと思う。大人になって読み返し、美しいけれども切なく、どこか悲しい位に孤独な話の数々に、あの頃の私はここに救いを求め、実際救われていたんだろうなって思った。物語の力は、言葉が織りなす世界はいつだって、偉大だと思う。2015/04/27
りるふぃー
11
全部知ってる物語なので、エッセイ部分を楽しみに読みました。安房さん、80年代の少女漫画の主人公みたいに乙女で可愛らしい。健気なかわいい奥さんだったんだろうな!たしか 養女だと思ったんですが、そのお母さんに本当に大切にされた、幸せな子ども時代だったんですね。文学少女だった人なら共感してしまうかもしれないエピソードがたくさん。これで安房直子コレクションも読み終わってしまった。寂しい!なんで全集じゃないんだろう。全て読みたいよぅ。2018/06/05
みー
11
「花豆の煮えるまで」素朴な味わいがあって、今ではない時代の生活感が温かく描かれていてよかった。雌鶏のお話は・・そんなー酷いよ!!と、憤ったり、ウサギの話では背筋がゾゾッとしたりと、ころころと変わる感情を楽しめた。最後のエッセイも、読みごたえがあって、作者の人となりが分かり、とてもよかった。2017/01/16
おはなし会 芽ぶっく
10
『さんしょっ子』 https://bookmeter.com/books/16101166 を始め安房直子さんの絵本を読むことが多く、しっかりと文章を味わいたいと思い見つけたシリーズ。11編の短編とエッセイ。『 緑のスキップ / もぐらのほったふかい井戸 / 初雪のふる日 / エプロンをかけためんどり / 花豆の煮えるまで / 風になって / 湯の花 / 紅葉の頃 / 小夜と鬼の子 / 大きな朴の木 / うさぎ座の夜 / 以下エッセイ 焼きりんごのこと / 母のいる場所は金色に輝く / 運動ぎらい →2020/09/06