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内容説明
「はい、ウマイよ、できたてだよ!」
「大たこ焼き、6個で500円だよ!」
日本の祭りを盛り上げるテキ屋の屋台。しかし、行政による締め付けが厳しくなった昨今、徐々にその姿を減らしている。
そもそも、テキ屋はいったいどのような組織なのか?
どうやってテキ屋になるのか? 扱う商品は誰が、どうやって決めているのか? br>
商売をする上での縄張りは? そしてどれくらい儲かるのか?
日本の風物詩であるテキ屋、これまで明らかにされてこなかった実態を、テキ屋一家に生まれ育った著者が赤裸々に描く。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ゆいまある
86
私の父は結婚した時、家を借りた。大家さんは某寺のテキ屋の親分さん。すぐに私が生まれ、手のかかる弟が生まれ、私は3歳でその土地を離れるまで、半分テキ屋ファミリーに育てられた。寺の境内で鳩の豆撒き放題。よく屋台の内側で何か食べてたらしい。この本の作者は私よりちょい年上。テキ屋という人々の義理人情の厚さ。分かる気がする。父が刑務所に入ったせいで、小学生からテキ屋として働いた作者。今なら間違いなく児相案件。さらりと書いているが、稼ぎまくり遊びまくった高校時代。普通じゃない。興味と郷愁刺激される一冊。2023/09/08
ma-bo
78
家族(両親)がテキ屋だった著者が自身の半生を辿りながら業界のしきたりや裏側を解説。グレーな部分は業界の方への配慮があるのか核心に触れない感じだった。2023/04/28
ふうちゅけ
17
テキ屋事情が書かれた本ってのに興味をそそられて読んだけど、まず最初の疑問が「あんず飴って何?」この本を読むまで知らんかった。関西では気温の関係で無いらしい。そうなってくると食べてみたくなるけど、テキ屋さんはこのご時世生き辛くなるばかりのようで、私は一生あんず飴を食べず仕舞いになってしまうのかも知れない。関東以北の祭り、行かねば!(2023年2月初版)2023/07/30
オサム兄ぃ
11
素敵な読友さんのレビューと、川上未映子「黄色い家」に登場するテキ屋渡世への興味から選書。アイドル歌手を夢見る昭和「スタ誕」世代の筆者は、事件を起こした父親に代わり、綿飴売りの母親とともに、小学4年にしてアンズ飴を売る屋台を切り盛りしてテキ屋デビューする。ほぼ同世代の小生は江戸っ子の母や祖母が語る近所のヤンチャな人々を思い出し懐かしく読んだ。時代が平成に進みコンプライアンスを問われて、ついに廃業を決意するくだりは寂しい。社会は余白余分を失い、ピカピカの都会のすぐ足元には闇バイトの地獄が広がる。やれやれだ。2023/10/22
jasmine
7
お祭りでよくみるテキ屋さん。どんな組織なのかちょっと立入った話を知りたくて買ってみたけど、どちらかといえばテキ屋で生まれ育ち生業とした著者の人生に人情物語を掛け合わせたといった感じで雰囲気は分かるもののリアルというには不十分な感じだった。2023/04/11