内容説明
恐るべき思想家バタイユが全ての思想を転覆させて思考の極限に挑んだ20世紀最大の問題作を50年ぶりに新訳。第一人者による鋭利な訳文と膨大な注によって絶後の名著が暗黒の21世紀に降臨する。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
chacha子
6
抽象的で大変よい。2025/07/20
梅崎 幸吉
6
バタイユはニーチェの影的存在である。 彼の哄笑は虚無的世界観にあってそれを哄笑する事でバランスを保持しようとしたにすぎない。 ニーチェと同じく彼も「虚無的世界観」の閉じた球体の中でジタバタと苦悩したのである。 「内的体験」とは虚無体験である。 物質界の足場を全て消失したら誰でも体験する。 しかし、その虚無空間を打破し、さらに先に進むのは頗る困難である。 これは自らが実体験せねば実感として理解し難い事である。 内的体験と言ってもピンキリ、諸段階があるからであり、その自らの体験内容しか語る事しか出来ない。
kentaro mori
4
⚫︎劇的なことは、あれこれの条件、肯定的条件において存在することではない。それは、単刀直入に存在することなのだ。⚫︎内的体験は恍惚であり、恍惚は交流であり、先ほど言及した自己への自閉と対立すると思われる。⚫︎沈黙という言葉もいまだにひとつの雑音である。語ることは、自分自身のなかで知っていると思うことであり、もはや知らずにいるためには、もはや語ってはならないだろう。砂が私の両目を開くに任せたとしても、私は語ってしまった。言葉はまさに逃げる役にしか立たないのであり、私が逃げるのを止めたときにも私を逃避へと連れ2025/03/23
カケル
4
先に出口裕弘氏の改訳新版を読了済。今回江澤氏の新訳を膨大な訳注まで含めてガッツリ堪能させて頂いた。大瀧啓裕訳のディック『ヴァリス』を彷彿させる酩酊感だった。人間、ナニカに取り憑かれるとろくでもない醜態を晒しがちだが、彼等が凡百の傍迷惑な輩と違うのは、エクリチュールという経験を通して自壊にまで至る地平に達したおかげだろうか? さて、次は無神学大全第2巻『有罪者』、いってみようか!2023/09/30
かんちゃん
3
言説(推論的思考)からなる知の世界から抜け出して、没我に至るような内的体験をテーマとして、思考があれやこれや展開している。内容は解題でシンプルにまとめられているが、寄り道的な記載が面白かった。定義上言語化できないことを前提としているにも関わらず、意外にも、一つ一つの言葉を定義しようとしながら思考が進められており、「至高」など理解できないタームも多かったものの、おおむね筋を追うことができた…気がする。意思から逃れ、自分の創作物を破壊し、それでも狂気には陥らない無対象な恍惚。どこまでいっても経験的ではある。2022/09/23
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