「こころ」はどうやって壊れるのか~最新「光遺伝学」と人間の脳の物語~

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「こころ」はどうやって壊れるのか~最新「光遺伝学」と人間の脳の物語~

  • ISBN:9784334962616

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内容説明

利根川進博士推薦! 光で脳の活動を観測・制御する「光遺伝学」の第一人者として知られるダイセロス博士は、有名な精神科医でもある。最先端の脳神経科学の知識と技術にくわえ、多彩な症状を呈する患者たちの苦悩への深い共感、そしてその内面世界を想像する努力によって、人間の「こころ」と感情の起源がだんだんと明らかになってくる。人間の根源と進化の真実に迫るノンフィクション話題作。(解説 加藤英明)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

中玉ケビン砂糖

63
帯に「ノーベル賞候補最有力!」の文字が躍っているが、がっつり光遺伝学に関する本格的な研究書の感はない。著者が実際に向き合ってきた症例の中から印象的な「精神疾患」を主として取り上げ紹介する「科学エッセイ」と言ったほうが正確か。うつ病・双極性障害・統合失調症・認知症などを始めとして、「妻の死に泣くことができず悩む夫」「9.11をきっかけに躁に囚われた老人」「精神病者の言語体系と『フィネガンズ~』への閃き」「自殺願望への対処や『根治不可』と家族に告知する際の葛藤」など「ストーリー」としての側面は強く、読ませる。2023/03/19

佐倉

12
光遺伝学と呼ばれる、脳内にある神経細胞に光に反応するタンパク質を発現させ、光ファイバーやレーザーによって特定の神経細胞のみを活性化させる技術。その最前線の研究者であり精神科医であるダイセロス博士による著作だが、単に最新技術を解説するだけではなく、症例を紹介するというだけでもない。精神科医として患者と接するドラマの中、患者の状態を説明できる医学的解説や後になって光遺伝学によって説明可能になったことを挿入するという医学小説のようなスタイル。難解な解説が多いがそれが何を説明しようとしているのかが想像しやすい。2023/05/29

蘇我クラフト

4
もう多分、読み進められない。と言うことで、中途半端だが読了とする。 精神疾患患者のルポ、どうして壊れるのかを脳科学と共に説明しているが、説明が化学すぎて追いつかない。2023/07/26

ひめの

3
光遺伝学の第一線の研究者であり、精神疾患を治療する医者である著者の、ヒトのこころについて考察した本。科学的知見だけでなく、自身の診療体験による患者の言葉や仕草、心情についても豊富に書かれている。文体は科学本というより文学書で詩的。しかしだからこそ患者の苦悩や戸惑いに深く迫っていると感じられた。疾患や病像を取り除くべきものというふうにとらえているというよりは個性のよりな捉え方で書かれているように感じ、またその内面の考察には科学的知識で裏打ちされている。文学、臨床、基礎科学と広い視野でこころに向き合うすごい本2023/04/30

y

2
サブタイトルから早とちりして、最先端技術のお話かと思って読み始めたので、最初はかなり読むのに難儀しました。 ですが、読み進むにつれ実際の患者さんの話と光遺伝学の話が織り交ぜられている構成に慣れ、すんなり内容が入ってきました。 読後感はあまり人におすすめできる感じではなかったのですが、ここに描かれているような人々と同じ時代に生きていること、もっと影響度(重症度)は低いながらも自分自身も持っているのかな、と気づかせられたので、多くの人に読んでほしいと思いました。2023/07/03

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