内容説明
青い空、サンゴ礁の海――豊かな自然が広がる沖縄には、珍しい生き物がいっぱい! 県鳥のノグチゲラはキツツキなのに、なぜ地面をつつくの? 瑠璃色に輝くきれいなゴキブリがいるって本当?なぜ一度海に沈んだ宮古島に、海水が苦手なサワガニやカタツムリがいるの? イリオモテヤマネコはどうやって小さな西表島で生き延びてきたの? 沖縄、宮古、八重山、大東……島々の個性的な生き物たちを魅力たっぷりに紹介。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ホークス
32
2023年刊。沖縄の陸生生物の生態や進化を考察する。著者にしてはやや硬い文章。島の生物は元々危機に瀕しやすい。人による負の干渉が起こす絶滅は、先史時代から累々と続いている。進化の本質は、環境の多様性と変化に対する「種分化+多数死」による適者生存。ただし、人間が同じ方式を摂るには、地球という島は小さすぎる。かつて生存が難しいほど角を巨大化させたシカが居た。人間は「角の価値」に執着せず相対化する事ができるか、多様性を種の中に包含できるか、全て自分で決めるしか無い。ケモノに過ぎない人間の背負う十字架だと思う。2023/11/09
不純文學交遊録
8
琉球諸島は生物多様性の宝庫である。本書が紹介するのは中琉球の沖縄諸島、南琉球の宮古・八重山・尖閣諸島、そして大東諸島。それぞれの島に他では見られない固有種が生息する(北琉球は本土と共通した生物種が多い)。山地が多い高島と平坦な低島でも生物相は異なる。一度全体が水没した宮古島に、海を隔てた移動が困難な生物が存在する謎。狭い範囲で生き続けるイリオモテヤマネコの特殊性。そして外来種の脅威。生物文化多様性を考えるテキストとなる一冊。著者自身によるイラストは見事だが、巻頭にカラー口絵もあると良かった。2023/02/20
志村真幸
6
沖縄の生物について、地域ごとに概説した教科書的な一冊だ。 おおづかみに全体像を描くことを目指しており、また陸上の生物が中心となっている。近年の研究では、沖縄本島を中心とした地域が中国大陸と、八重山・宮古以南が台湾方面と生物相が重なっていると明らかになり、琉球弧を伝って南からやってきたという定説が覆された。最先端の生物研究の成果をもとに紹介されている。 そうした観点から新種が発見されたり、逆に大陸や台湾のものと同種とされるケースも出ており、沖縄の生物研究が大きく書き換えられつつあるのが分かる。2023/01/27
noko
5
私も子供の頃お土産で買った星砂。星砂の秘密を今更知った。ホシズナは原生動物の有孔虫の一種で殻のある単細胞アメーバのようなもの。ホシズナは寿命が1年半で、死ぬと殻が残り、白い砂の一部になる。沖縄の固有種として有名なヤンバルクイナは、キョキョキョと甲高く鳴く。やんばるの人たちには発見前から存在を知られていた。ヤンバルクイナは、アガチと方言名で呼んでいた。沖縄は面積はとても小さいが、固有種がものすごい数生息している。北琉球、中琉球、南琉球と島によって住んでいる生き物が違うが、それは太古の歴史が関係していた。2024/02/22
二人娘の父
5
「ゲッチョ先生」の愛称で知られる、その界隈では有名な方。というのは、完全に読了後、いろいろとサイトを見るなかで知ったこと。失礼だがまったく存じ上げない方でした。私が生物、特に昆虫や植物、また鳥類は苦手ということが原因。なんで読んだのかと問われれば、それは好きな沖縄に関することだからという理由。ただし先日3日間ほど沖縄の北部から南部まで回り、県立博物館で少し展示品を見ていたので、イメージはついた。未踏の地である宮古・八重山諸島へ行くモチベーションアップにもなった。特に宮古島の特異さにはたいへん興味を持った。2023/12/20
-
- 電子書籍
- 恋愛レベル99の男、落とします【タテヨ…
-
- 電子書籍
- OCEANS - 2019年7月号
-
- 電子書籍
- 古事記 - 日本の神さまの物語
-
- 電子書籍
- ビジネスサイトをこれからつくる Wor…
-
- 電子書籍
- 高円寺碧のリバーシブルライフ 4 KC…